カードの背景にもヒントがある(その1)☆『女帝』と『正義』
こんにちは。タロットブログにようこそ。
タロットを読んでいるとシンボルの多いカード、少ないカードといろいろあります。
シンボルを手がかりに読んでいくので、大きくはっきりと描かれたシンボルが多い方が読みやすい傾向はあります。
でもカードそのものを理解するのには、小さなシンボルもとても有効です。
例えば、描かれている草に着目してみるのも興味深いんです。
まずⅢ(3)という数をもつ『女帝』というカードから見てみましょう。
『女帝』のカードの向かって左側の下に緑色の草が描かれています。
他のカードには、黄土色や赤、黄色、青、竹色で描かれている草があり、色からも意味が感じられます。
特に『女帝』というカードの様子から、その緑色は生命力の盛りであるイメージが読み取れます。
草の様子について言えば、切れ目が2本目の草と3本目の草の間だけ、離れ小島のように宙に描かれています。
(赤いワッカで囲んだ部分)
他のカードにはこの描き方はありません。
『女帝』のフランス名は『LIMPERATRICE』ですが、このスペルに似た〔impenetrable〕という言葉には「入り込めない、通さない、不可知な、不加入性の」という意味があります。
それは、そばに描かれた白いヘビの潜む草むらの中の領域が、外側のものからは入ることも垣間見ることもできず、隠されていることを伝えているようです。
これによって、表向きの顔だけではなく、『女帝』の隠された神秘的な意味合いをうかがうことができます。
次は『正義』の草を調べてみましょう。
『正義』にはⅧ(8)という数があり、女帝とⅢの意味合いで繋がっています。
『正義』の足元の草は3本目が伸び上がり、その先にある背景の黒線の群れを分けています。
1本から7本まで、そして8本から10本までの間を分けているのです。
それは「大アルカナの1から7までと、8以降ではまるで違うのだ」ということを暗に示しているようです。
草がそれを分けている佇まいと、『正義』が剣を構えている佇まいはリンクしているように思えます。
5月5日の端午の節句ではショウブの葉を菖蒲刀といって日本刀に見立て、邪気を払うために使いますが、西洋でも鋭い形の草は刃物に見立てられたのでしょう。
『正義』は中間界の最初にあって、意を決した剣によって地上界からの邪気を退けているのかも知れません。
草というやや小さめのシンボルも、こうしてタロットを深く理解する手がかりになってくれています。
次は『ⅩⅢ』のカードと『月』のカードで草を見ていってみましょう。
どんな草からのどんな情報が手に入るでしょうか。
タロットのシンボル探検は意識を新たな世界に誘います。
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