獅子を制御するパワフルな『力』の乙女☆星の神話とタロット

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

今回は、黄道十二宮の神話をタロットの象徴を通して見ていくシリーズの獅子座の回です。

前回のブログにギリシア神話のヘラクレスと格闘した「ネメアーのライオン」のお話を載せています。

読まれていない方は、まずそちらからご覧ください。

『ヘラクレスvsネメアーのライオン☆12星座の神話』

ネメアーのライオンのお話をタロットの象徴でさらっていきましょう。

☆ ☆ ☆

ライオンは『力』と『世界』に

まずは、12功業においての「ネメアーのライオン」という題名に基づき、

マルセイユ・タロットの大アルカナ22枚を見渡すと、ライオンらしき象徴がまず『力』と『世界』に見当たります。

『世界』の落ち着いた様子のライオンはゼウスによって天に上げられた後のライオンの姿です。

『力』のカードを見ると、ヘラクレスの怪力に遜色ないパワフルな乙女と荒々しそうなライオンが描かれています。

何といっても、このカードの名称は『力』<LA FORCEラ・フォルス>です。

乙女は、ライオンを腕で制御するという常人では考えられない行動をしています。

『世界』のライオンがみんなと調和して輪になっているのに対して、『力』のライオンは歯をむき出しにしています。

ネメアーのライオンのように獰猛そうですが、乙女に抵抗しつつも制御されているようです。

パワフルな棍棒による攻撃

弓矢では手ごたえを得ることができませんでしたが、ヘラクレスは得意の棍棒でネメアーのライオンを退治するきっかけをつかみました。

棍棒は『杖(火)』の象徴です。

ヘラクレスの棍棒はオリーブの木で出来ていると言われていますが、前回の牡牛座のイーオーがつながれていたのもオリーブの木でした。

オリーブは採油植物であり、オリーブオイルで火を灯すことができます。

ここでは「光」を得ることを示唆する象徴です。

光を得る(明晰さ・賢明さ)棍棒で、ヘラクレスはネメアーのライオンの頭を一撃します。

『力』のライオンの胴の下を見ると、棍棒のような黄色い象徴が紛れているように見えます。

ライオンはすでに棍棒で光の攻撃を受けた後なのかも知れません。

ヘラクレスの一撃にたまりかねたネメアーのライオンは洞窟の中に逃げ込みましたが、それは「光」に対する「暗がり」、「明晰さ」に対する「頑迷さ」なのかも知れません。

ライオンを追って洞窟の中に入ったヘラクレスも「暗がり」で、自分の中の「恐れ」や「頑迷さ」に向き合うことになったでしょう。

皮に切れ込みを入れるパワフルな爪

ヘラクレスは、強靭なライオンの皮にナイフで切れ込みを入れることができず、はぐことがませんでした。

通常、狩人たちはナイフで獲物をさばきます。

ナイフの刃でも、矢の鏃でも貫通できないネメアーのライオンの強靭な皮は、『剣(風)』が象徴する知性というアプローチだけでは太刀打ちできない問題を象徴します。

まるで理路整然と説明しても分かってくれない頑固な人物を相手にしているようです。

その困難な局面を女神アテナのアドバイスを受け入れることによって、ライオンの爪を使い、切れ込みを入れてはぐことができました。

アテナは知恵と戦略を司る戦いの女神なので、『剣』の徳性も『杖』の徳性も授けることができます。

理論と衝撃を一度に与えられます。

鋭さがありつつ強さがある爪は『剣』と『杖』の両方の性質を兼ね備えているように見受けられます。

『力』のライオンの体を見てみると、上半分と下半分で色が異なります。

もしかすると、切れ込みが入れられ、皮がはがれているのかも知れません。

パワフルな乙女はインパクトのある赤い爪をライオンに指し向けています。

アテナの助力を得たヘラクレスは、『剣』の象徴する「知力・理性」と『杖』の象徴する「勇気・度胸」を発揮して、暗がりの恐ろしい猛獣に対処することができました。

それによってヘラクレス自身が一皮がむけたと言えそうです。

やっぱり強い『力』

フランス語の<forceフォルス>は体の力だけでなく、勇気や精神力など、心の力も意味します。

<LA FORCEラ・フォルス>という名称は『力』の乙女が勇気や精神力をも司る女神であることを示しています。

降ってきたライオン

カモワンの「3×7タロット・マンダラ」を見ると、面白いことに気づかされます。

カードをお持ちの方はマンダラを並べてじっくり眺めてみてください。

気づくことがあるかも知れません。

(マンダラは下記リンクからご覧になれます。)

カモワンの「3×7タロット・マンダラ」

ネメアーのライオンの母親は月の女神セレネであるという説がありますが、「3×7タロット・マンダラ」を見ると、『力』の上には『月』のカードがあります。

「月が身震いをしたときにネメアーのライオンが降ってきた」というエピソードにぴったりの位置関係です。

『月』には天体のすぐ下に2頭の4つ足の動物がいます。

月の女神セレネが「母親」であるという前提で、その下にいるのがネメアーのライオンだと解釈しても、「子ども」なのでまだたてがみが生えていないようです。

(ヘラクレスはネメアーのライオン退治の前に、キタイロンのライオンを退治しています。それを物語るように獅子座の上には小獅子座があります。)

モロルコスの羊についてですが、羊の象徴はいずれ牡羊座について調べるときのための楽しみにしましょう。

ヘラクレスは牡羊座の神話のアルゴー船の乗組員の一人でもあります。

神話とタロットとの繋がり、本当に興味深いですね(^-^)

ソフィア

※ライオンの詳しい象徴や『剣』『杖』などの四大元素は、カモワン・タロットの初級「手品師コース」で扱われています。

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

ヘラクレスvsネメアーのライオン☆12星座の神話

こんにちは、アントレへ、ようこそ。

前回は牡牛座のイーオーの神話を元に探索しましたが、

牡牛座をどの神話に見立てるかということで様々な意見があります。

アストロロジーにおいての黄道十二宮の基本的なルールでは、牡羊座が男性、牡牛座が女性、双子座が男性・・・と交互に配置されているところから、

女性に区分されている牡牛座には、ニンフの女性であるイーオーが牛になった神話がよい選択肢なのではないかと思っています。

今回は『世界』のカードで牛の隣側にいるライオンに焦点を当てましょう。

獅子座です。

獅子座は男性に区分されます。

たてがみのない雌ライオンではなく、ふさふさしたたてがみのある雄ライオンを想像して進めていくことができます(^-^)

☆ ☆ ☆

獅子座のエピソードである「ネメアーのライオン」は、ギリシア神話の中でも第一級の英雄であるヘラクレスのお話の一つです。

ヘラクレスは最高神ゼウスと人間の女性の間に生まれた半神半人の英雄です。

ある日、ヘラクレスは女神ヘラーに狂気を吹き込まれて、妻と子どもたちを炎に投げ込んで殺すという大罪を犯しました。

(よいことも悪いことも大きな出来事が生じた際には、大方、最高位の女神ヘラーか、最高神ゼウスがきっかけとされているので、ここは細かく考えずにいきましょう。)

ヘラクレスは罪を償うためにデルフォイの神殿へ行き、アポロンの神託を受けました。

下ったお告げは「ミュケナイ王エウリュステウスに仕えて仕事を果たせ。その後に不死になる」というもので、そこから始まるのが「ヘラクレスの12功業」です。

☆ ☆ ☆

ヘラクレスとネメアーのライオンの神話

その頃、ミュケナイ王エウリュステウスの領地のアルゴスでは、ネメアーの谷に恐ろしいライオンが住んでいて人々を苦しめていました。

ネメアーのライオンは、母親が怪物エキドナであるとも、月の女神セレネであるともされ、月が身震いをしたときにネメアーのライオンが降ってきたと言われています。

ネメアーのライオン問題に困っていた王エウリュステウスですが、英雄ヘラクレスが仕えたいと来訪したものですから、これ幸いとばかりにライオンを殺しとその皮を持ち帰ることを命じました。

ヘラクレスはネメアーの谷に赴く途中、ゼウスの神殿の森に住むモロルコスという名の農夫に出会います。

ネメアーのライオンを退治しに行くと聞いたモロルコスは、自分が飼っている唯一の羊を殺してヘラクレスをもてなそうとしました。

ヘラクレスは羊の犠牲を1か月待ってくれるように頼みます。

「自分がライオンとの戦いに敗れて帰って来なかったら自分のために捧げてほしい。もしライオンを退治できたらゼウスの神殿に捧げてほしい」と。

ネメアーの谷に到着したヘラクレスは、アポロンの神殿で授かった矢でライオンを撃ちますが、ライオンの驚くほど強靭な皮膚は矢を跳ね返してしまいます。

そこでヘラクレスは得意の棍棒でライオンに立ち向かいました。

オリーブの木で出来ているとも言われるヘラクレスの棍棒がライオンの頭に命中すると、ライオンはたまらず洞窟の中に逃げ込みました。


(ヘラクレスとネメアのライオンの戦い、ピーター・パウル・ルーベンス)

ヘラクレスは洞窟の入り口を岩でふさいで逃げ道を封じ、ライオンに挑みかかります。

ヘラクレスは格闘の末、両手でもって窒息させることで不死身かと思われたネメアーのライオンを退治することができました。

ライオンの皮を持ち帰るために、ヘラクレスはナイフを使いましたが全く刃が入りません。

すると、その窮地に気づいた知恵と戦略の女神アテナが変装してやってきて、ライオンの爪を使うことを助言します。

ライオンの爪を用いると皮に切れ込みが入り、ヘラクレスは皮をはぐことができました。

ヘラクレスがモロルコスの小屋まで辿り着くと、モロルコスはゼウスの神殿に羊の犠牲を捧げました。

ライオンの死骸を担いだヘラクレスが王エウリュステウスのところに戻ると、王エウリュステウスは恐怖のあまりに大きなブロンズの壺に飛び込んで身を隠します。

そして「これからは仕事の成果を門の外で披露し、伝令を通して報告するように」と命じたのでした。

このライオンの毛皮は、この後、ヘラクレスが身につける特別なシンボルであり続けます。

獅子座は、ゼウスが息子ヘラクレスの戦果を祝って天に上げたとも、動物の王として天に上げたとも言われています。

☆ ☆ ☆

次回はヘラクレスやライオンをタロットの中に探して、象徴をしらべていきます。

すでに「あのカードだ」と検討がついているかも知れませんね(^-^)

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

小さい角をもつ白い『女法王』☆星の神話とタロット

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

ようやく秋らしくなったと思ったら、1日2日くらい急に冷え込んで、ちょっと鼻風邪をひいてしまいました(^₋^ゞ

これからは体調を万全にして、冬が始まるまでの貴重な黄金の季節を楽しみたいと思います。

☆ ☆ ☆

前回のブログで書いたように、星座の神話、特に黄道十二宮の神話を通してタロットを見ることをこれからたまにしてみようかと思っています。

今回は、牡牛座として、ギリシア神話の白い牛に変えられたニンフのイーオーです。

イーオーの神話は前回のブログをご覧ください。

『イーオーは牛に変えられた☆12星座の神話』

まずはお話とタロットの象徴をザックリさらっていきましょう。

白い牛

特徴的なのはイーオーは女性で、白い牛に変えられたということですね。

タロットの大アルカナ22枚をこの条件の下で眺めてみて、目が留まるのは白い肌の女性である『女法王』です。

よく見ると、『女法王』の被る三重冠の左右には牛の角のようなものが付いています。

イーオーはヘラーの神殿の巫女でしたが、『女法王』も神殿の女神官です。

隠蔽と白さ

隠蔽しようとしたゼウスによってイーオーは白い牛に変えられました。

『女法王』も天幕によって外界から隠されています。

神殿の巫女であったイーオーが変身した白い牛の白さは、『女法王』のように奥まったところで巫女の修養をしていたことに由来するのかも知れません。

物質的隠蔽で肌の白さが作り出され、聖域での修養という非物質的隠蔽で純潔さという心理的な白さが作り出されているようです。

木につながれる

イーオーはヘラーによって1本のオリーブの木につながれました。

オリーブの木は「太陽の木」と呼ばれ、実からはオリーブオイルが採取されますが、オリーブオイルは神殿や教会の灯火などにも用いられます。

『女法王』はⅡ(2)という数をもつだけに、本来は2本柱がありそうですが、隠蔽の天幕があるために柱は半分だけ、1本しか見えていません。

同じ三重冠を被っているパートナーの『法王』のカードを見比べてみると、『法王』の後ろにも似たような柱がありますが、空色をしています。

それに対し、木の色をした『女法王』の柱はオリーブの木のように火を着けることができそうです。

イーオーも『女法王』も「明るく」なるために必要な環境に身を置いているように見えます。

最後に子どもを産む

虻から逃げまどいながら多くの国を旅したイーオーは最後にエジプトで息子エパポスを産み落としました。

『女法王』はどうやら子を宿すことができる人のようです。

『女法王』の後ろには、彼女の白い顔にそっくりの卵のような白い象徴が描かれています。

エパポスを産んだイーオーのように『女法王』が子を宿し、産み落とす日がいずれ来るのでしょう。

白い牛は天に昇る

ここから少し込み入った内容になるのでちょっとご辛抱ください。

イーオーをうるさがらせた虻についてですが、

フランス語で「うるさがらせる」という意味の言葉に<tannerタネ>があります。

<tannerタネ>はその他にも「褐色にする・日焼けさせる」「皮をなめす」という意味も表わします。

「皮をなめす」とは、生皮をタンニンなどで耐久性のある状態に加工することです。

ヘラーが送った虻はイーオーを「うるさがらせて」、隠蔽されていた場所から各地の陽の当たる場所にを放浪させ、「日焼けさせ」たことでしょう。

天幕の内側での純粋培養の学び以外のことを放浪先の各地で学んで、心身共に「なめさ」れて、巫女だったイーオーは永遠の神なる存在へと昇華したのではないでしょうか。

それが天に上げられる、星座になるということなのかも知れません。

神話とマルセイユ・タロットには親和性があり、神秘のエッセンスがたくさん含まれています。

マルセイユ・タロット、面白いですよね(^-^)

ソフィア