ヘラクレスvsネメアーのライオン☆12星座の神話

こんにちは、アントレへ、ようこそ。

前回は牡牛座のイーオーの神話を元に探索しましたが、

牡牛座をどの神話に見立てるかということで様々な意見があります。

アストロロジーにおいての黄道十二宮の基本的なルールでは、牡羊座が男性、牡牛座が女性、双子座が男性・・・と交互に配置されているところから、

女性に区分されている牡牛座には、ニンフの女性であるイーオーが牛になった神話がよい選択肢なのではないかと思っています。

今回は『世界』のカードで牛の隣側にいるライオンに焦点を当てましょう。

獅子座です。

獅子座は男性に区分されます。

たてがみのない雌ライオンではなく、ふさふさしたたてがみのある雄ライオンを想像して進めていくことができます(^-^)

☆ ☆ ☆

獅子座のエピソードである「ネメアーのライオン」は、ギリシア神話の中でも第一級の英雄であるヘラクレスのお話の一つです。

ヘラクレスは最高神ゼウスと人間の女性の間に生まれた半神半人の英雄です。

ある日、ヘラクレスは女神ヘラーに狂気を吹き込まれて、妻と子どもたちを炎に投げ込んで殺すという大罪を犯しました。

(よいことも悪いことも大きな出来事が生じた際には、大方、最高位の女神ヘラーか、最高神ゼウスがきっかけとされているので、ここは細かく考えずにいきましょう。)

ヘラクレスは罪を償うためにデルフォイの神殿へ行き、アポロンの神託を受けました。

下ったお告げは「ミュケナイ王エウリュステウスに仕えて仕事を果たせ。その後に不死になる」というもので、そこから始まるのが「ヘラクレスの12功業」です。

☆ ☆ ☆

ヘラクレスとネメアーのライオンの神話

その頃、ミュケナイ王エウリュステウスの領地のアルゴスでは、ネメアーの谷に恐ろしいライオンが住んでいて人々を苦しめていました。

ネメアーのライオンは、母親が怪物エキドナであるとも、月の女神セレネであるともされ、月が身震いをしたときにネメアーのライオンが降ってきたと言われています。

ネメアーのライオン問題に困っていた王エウリュステウスですが、英雄ヘラクレスが仕えたいと来訪したものですから、これ幸いとばかりにライオンを殺しとその皮を持ち帰ることを命じました。

ヘラクレスはネメアーの谷に赴く途中、ゼウスの神殿の森に住むモロルコスという名の農夫に出会います。

ネメアーのライオンを退治しに行くと聞いたモロルコスは、自分が飼っている唯一の羊を殺してヘラクレスをもてなそうとしました。

ヘラクレスは羊の犠牲を1か月待ってくれるように頼みます。

「自分がライオンとの戦いに敗れて帰って来なかったら自分のために捧げてほしい。もしライオンを退治できたらゼウスの神殿に捧げてほしい」と。

ネメアーの谷に到着したヘラクレスは、アポロンの神殿で授かった矢でライオンを撃ちますが、ライオンの驚くほど強靭な皮膚は矢を跳ね返してしまいます。

そこでヘラクレスは得意の棍棒でライオンに立ち向かいました。

オリーブの木で出来ているとも言われるヘラクレスの棍棒がライオンの頭に命中すると、ライオンはたまらず洞窟の中に逃げ込みました。


(ヘラクレスとネメアのライオンの戦い、ピーター・パウル・ルーベンス)

ヘラクレスは洞窟の入り口を岩でふさいで逃げ道を封じ、ライオンに挑みかかります。

ヘラクレスは格闘の末、両手でもって窒息させることで不死身かと思われたネメアーのライオンを退治することができました。

ライオンの皮を持ち帰るために、ヘラクレスはナイフを使いましたが全く刃が入りません。

すると、その窮地に気づいた知恵と戦略の女神アテナが変装してやってきて、ライオンの爪を使うことを助言します。

ライオンの爪を用いると皮に切れ込みが入り、ヘラクレスは皮をはぐことができました。

ヘラクレスがモロルコスの小屋まで辿り着くと、モロルコスはゼウスの神殿に羊の犠牲を捧げました。

ライオンの死骸を担いだヘラクレスが王エウリュステウスのところに戻ると、王エウリュステウスは恐怖のあまりに大きなブロンズの壺に飛び込んで身を隠します。

そして「これからは仕事の成果を門の外で披露し、伝令を通して報告するように」と命じたのでした。

このライオンの毛皮は、この後、ヘラクレスが身につける特別なシンボルであり続けます。

獅子座は、ゼウスが息子ヘラクレスの戦果を祝って天に上げたとも、動物の王として天に上げたとも言われています。

☆ ☆ ☆

次回はヘラクレスやライオンをタロットの中に探して、象徴をしらべていきます。

すでに「あのカードだ」と検討がついているかも知れませんね(^-^)

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

小さい角をもつ白い『女法王』☆星の神話とタロット

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

ようやく秋らしくなったと思ったら、1日2日くらい急に冷え込んで、ちょっと鼻風邪をひいてしまいました(^₋^ゞ

これからは体調を万全にして、冬が始まるまでの貴重な黄金の季節を楽しみたいと思います。

☆ ☆ ☆

前回のブログで書いたように、星座の神話、特に黄道十二宮の神話を通してタロットを見ることをこれからたまにしてみようかと思っています。

今回は、牡牛座として、ギリシア神話の白い牛に変えられたニンフのイーオーです。

イーオーの神話は前回のブログをご覧ください。

『イーオーは牛に変えられた☆12星座の神話』

まずはお話とタロットの象徴をザックリさらっていきましょう。

白い牛

特徴的なのはイーオーは女性で、白い牛に変えられたということですね。

タロットの大アルカナ22枚をこの条件の下で眺めてみて、目が留まるのは白い肌の女性である『女法王』です。

よく見ると、『女法王』の被る三重冠の左右には牛の角のようなものが付いています。

イーオーはヘラーの神殿の巫女でしたが、『女法王』も神殿の女神官です。

隠蔽と白さ

隠蔽しようとしたゼウスによってイーオーは白い牛に変えられました。

『女法王』も天幕によって外界から隠されています。

神殿の巫女であったイーオーが変身した白い牛の白さは、『女法王』のように奥まったところで巫女の修養をしていたことに由来するのかも知れません。

物質的隠蔽で肌の白さが作り出され、聖域での修養という非物質的隠蔽で純潔さという心理的な白さが作り出されているようです。

木につながれる

イーオーはヘラーによって1本のオリーブの木につながれました。

オリーブの木は「太陽の木」と呼ばれ、実からはオリーブオイルが採取されますが、オリーブオイルは神殿や教会の灯火などにも用いられます。

『女法王』はⅡ(2)という数をもつだけに、本来は2本柱がありそうですが、隠蔽の天幕があるために柱は半分だけ、1本しか見えていません。

同じ三重冠を被っているパートナーの『法王』のカードを見比べてみると、『法王』の後ろにも似たような柱がありますが、空色をしています。

それに対し、木の色をした『女法王』の柱はオリーブの木のように火を着けることができそうです。

イーオーも『女法王』も「明るく」なるために必要な環境に身を置いているように見えます。

最後に子どもを産む

虻から逃げまどいながら多くの国を旅したイーオーは最後にエジプトで息子エパポスを産み落としました。

『女法王』はどうやら子を宿すことができる人のようです。

『女法王』の後ろには、彼女の白い顔にそっくりの卵のような白い象徴が描かれています。

エパポスを産んだイーオーのように『女法王』が子を宿し、産み落とす日がいずれ来るのでしょう。

白い牛は天に昇る

ここから少し込み入った内容になるのでちょっとご辛抱ください。

イーオーをうるさがらせた虻についてですが、

フランス語で「うるさがらせる」という意味の言葉に<tannerタネ>があります。

<tannerタネ>はその他にも「褐色にする・日焼けさせる」「皮をなめす」という意味も表わします。

「皮をなめす」とは、生皮をタンニンなどで耐久性のある状態に加工することです。

ヘラーが送った虻はイーオーを「うるさがらせて」、隠蔽されていた場所から各地の陽の当たる場所にを放浪させ、「日焼けさせ」たことでしょう。

天幕の内側での純粋培養の学び以外のことを放浪先の各地で学んで、心身共に「なめさ」れて、巫女だったイーオーは永遠の神なる存在へと昇華したのではないでしょうか。

それが天に上げられる、星座になるということなのかも知れません。

神話とマルセイユ・タロットには親和性があり、神秘のエッセンスがたくさん含まれています。

マルセイユ・タロット、面白いですよね(^-^)

ソフィア

イーオーは牛に変えられた☆12星座の神話

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

涼しくなりつつも、また夏に戻ってしまう。

秋本番が待ち遠しいこの頃ですね。

ヨウ素(ヨード)の名前が「スミレ色」を意味するギリシア語を元につけられたということをつい最近知りました。

ギリシア神話では、スミレの花はゼウスの愛人になり、白い牛に変えられたニンフのイーオーと関連があります。

イーオーの白い牛は牡牛座の逸話として挙げられるものの1つです。

黄道十二宮の星座を中心に神話を通して、タロットを眺めていくのも面白そうではありませんか?

(黄道十二宮を表わす『世界』の空色の輪)

それでは今回はイーオーのお話から始めてみましょう。

☆ ☆ ☆

イーオーの神話

話はギリシア神話の最高位の女神ヘラーの神殿の巫女であるイーオーに主神ゼウスが手を出したところから始まります。

ヘラーとゼウスは夫婦であり、ヘラーは結婚の守護神です。

浮気を知ったヘラーは当然、関係を阻もうとしたため、ゼウスはイーオーを白い牛(未経産牛)に変えて隠蔽しようとします。

それで誤魔化されるようなヘラーではなく、ゼウスにその白い牛を贈り物にくれるよう求めました。

ゼウスはヘラーに白い牛を贈ったものの、雄牛に姿を変えて何とかイーオーに会い続けようとします。

ヘラーはイーオーを1本のオリーブの木につなぎ、百の目をもつ(あるいは第三の目をもつ、背中にも目をもつとも言われる)アルゴスに見張らせました。

アルゴスは百の目を五十ずつ眠らせる隙のない番人です。

ゼウスはヘルメスに白い牛を盗み出すように命じましたが、秘密裏に盗み出すことができません。

そこでヘルメスは竪琴あるいは葦笛の音を聞かせて眠らせました。

アルゴスはそこでヘルメスに殺されたとも、見張り番を失敗したためにヘラーに処刑されたともされています。

イーオーは見張りから解放されましたが、ヘラーが送った虻(あぶ)から逃げまどいながら多くの国を旅します。

最終的にエジプトに到着したイーオーは、そこで人間の姿を取り戻し、ナイル川の川辺で息子エパポスを生み落としました。

イーオーと息子エパポスは、エジプトにおいてのイシスと聖牛アピスの信仰に重なることになるようです。

フランスには以下の逸話もあります。

イーオーが悲しい気持ちでさまよっていると、地面から小さな花が姿を現わすのが見えました。

彼女はその花の中に自分を慰めにきた友人たちの気持ちを感じ取ることが出来ました。

その花とはもちろんスミレで、特に「三色スミレ」のようです。

フランス語の<penséeパンセ>は「思索」と「三色スミレ」を表わす同形異義語です。

☆ ☆ ☆

次回はイーオーの姿を象徴できるカードをタロットの中に探し、各象徴を調べてみます(^-^)

ソフィア