羊の象徴☆穏やかだけど実は強い

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

わたしソフィアの興味の向きによって、最近は象徴性を取り上げることが多くなっています。

以前のブログでも、ウシやヤギやヒツジの象徴性について、触れましたが、ヒツジについてもう少し考察してみます。

以前、何かの番組で「鬼門」にまつわる話が出て、それが面白くてよく覚えています。

「鬼門」である北東は、昔の言い回しでいうと「丑(うし)寅(とら)」の方角です。

鬼のウシのように角が生え、トラ柄のパンツを履いているという姿が「丑寅」を象徴します。

桃太郎伝説がその番組でも取り上げられていましたが、桃太郎は鬼退治に行きます。

鬼に対抗するための動物として「申(さる)酉(とり)戌(いぬ)」であるサル・キジ・イヌをお供にしました。

図を見ると分かるように、「丑寅」の真反対の方角は実際は南西の「未(ひつじ)申(さる)」です。

すんなり方角を動物に変換させるならば、お供はヒツジとサルだったはずです。

しかし湿気の多い日本にはヒツジがいなかったため、お供として登場させられず「サルだけじゃ弱いか…じゃあ、キジとイヌも足しておこう」と工夫したのかもしれません。

世界全体でいえば、羊は犬の次に家畜化された動物であるらしく、各地の伝説や象徴によく出てきます。

有名なところでいくと、イエス・キリストは神の子羊にたとえられますし、干支の十二支のように12区分ある西洋占星術の黄道十二宮には「おひつじ座」があります。

「おひつじ座」は英語では<Aries:エリーズ>ですが、その名称はギリシア神話の戦いの神アレスから来ているようです。

「おひつじ座」の支配星がアレスの星である火星だからです。

戦いの神アレスは強そうですよね。

「おひつじ座」のフランス語は<Bélier:ベリエ>で、<bélier>は普通に雄ヒツジを表しますが、それだけでなく「破城槌:はじょうつい」も表わします。

破城槌は太い丸太を直で城壁などにぶつけて破壊することを目的とした兵器です。

強烈な攻撃力を願い、先端には羊の頭部(挿絵)を模したものを付けることもあったようです。

日本で普通に暮らしているとヒツジは縁遠い動物ですが、破城槌を見ると、世界ではヒツジが攻撃力の強い動物と理解されているのが分かってきます。

ヒツジは平時は極めて穏やかでありながら、いざというときには激しくぶつかる攻撃力をもつ動物のようです。

Youtubeで見つけたヒツジの動画です。

群れの仲間同士でぶつかり合って、その後はまるで何事もなかったかのように仲良く草を食んでいます。

ヒツジにとってぶつかることは、いわゆる朝飯前なものなのかも知れません。

ちなみに、琉球由来の風水学では「鬼門」や「裏鬼門」は、悪い方角というのではなく、エネルギーが強いために制御しづらい方角と解釈されるそうです。

丑寅やヒツジという象徴を考えると、制御できないほどの強さというのは「なるほど」という感じです。

ウシやヒツジなど、動物の象徴も出てくるタロットの理解を深めるために、時々、楽しみながら動物の知識を調べてみるというのはおススメです(^-^)

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

変容の光は自我の死をもたらす☆星の神話とタロット

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

まだまだ春めくにはほど遠い寒さのようです。

12月にはインフルの波を何とか凌いだのですが、わたしソフィアは1月の波には捕まってしまいました(^₋^ゞ

まだまだ寒いです。

心身ともに気を付けていきましょう。

さて、今回はさそり座とオリオン座の神話をタロットの象徴と通してみていきます。

前回のブログにオリオンを中心としたお話を載せていますので、まだご覧になっていない方はそちらからどうぞ。

『さそり座はオリオンを追う☆12星座の神話』

☆ ☆ ☆

『世界』のわし・さそり座

マルセイユ・タロットの『世界』のカードには、伝統的に、黄道十二宮の固定宮が四聖獣として描かれています。

水の固定宮であるさそり座がワシの象徴に置き換わっているのは、前回のブログに記載した通りです。

それでは「わし・さそり座」とその反対側にある「オリオン座」のお話をタロットの象徴で照らしてみていきましょう。

「地」と「火」の傾向

オリオンの出自は、「雄牛の皮を地面に埋める」というような神の恩恵による魔法的手段に基づいていますが、

「牛」は、四大元素の内の「地」の象徴の動物で、「地中に埋める」という手段も「地」の特徴を帯びています。

狩人であるオリオンは「棍棒」を振り上げた姿で星図に描かれていますが、

「棍棒」は「火」の象徴です。

「オリオン座」(版画)ヨハン・バイエルの『ウラノメトリア』 (アメリカ海軍天文台図書館)

地上の動物を狩ることを目的として、棍棒で力を振るうオリオンは「地」と「火」の傾向が強い人物です。

『手品師』は、「棍棒」と同じような「バトン」を片手に持ち、もう一方の手には「コイン」を手に持っています。

「玉」とも呼ばれる「コイン」は「地」の象徴です。

土色の地面や土色のテーブルもある『手品師』は「地」と「火」の特徴があり、オリオンと似ています。

オリオンも『手品師』も物質現実的で、パワフルです。

オリオンと『手品師』の「水」

オリオンはオイノピオンの娘メロペーを欲しがりました。

命の危険さえある難題を出すくらい、オイノピオン王とメロペーは全く縁談に前向きではありません。

「人や家畜を襲うすべての野獣のキオス島からの一掃」という難題の「野獣」にオリオン自身が入っていたのかも知れません。

実際にメロペーを襲った野獣だけは討伐し損ねたことになります。

相手の気持ちを全く汲み取る心のないオリオンは獣と言えるのかも知れません。

「感情」は「水」で象徴されますが、

『手品師』を見ると、テーブルの上には「カップ(杯)」が2つあります。

片方のカップには「水」のようなものが見えますが、もうひとつのカップには蓋がされています。

他者の気持ちを汲み取らないオリオンのように、『手品師』も相手の感情を汲んではいないようです。

『手品師』も自分の気持ちにだけ関心がある状態のようです。

ここまで見てみると、物語のこの段階のオリオンの人物像に最も近いのは『手品師』だと見当がつきます。

物質を見る目を失う

メロペーに乱暴をはたらいた結果、オリオンはオイノピオンに泥酔させられ、両眼を失明させられます。

オイノピオンの父神である「酒神ディオニュソス」が出てくることで「酩酊」「既存の認識の破壊」を思わせます。

この段階で、オリオンは物質次元にフォーカスする「目」を失いました。

メロペーの心を見ずに肉体のだけの物として判断していたような今までの「見方」をなくしたようです。

『手品師』の次の『女法王』では、天幕の端が逆さにした松明のような形になっています。

逆さの松明は「死」を意味する象徴です。

外の物質現実に意識を向ける『手品師』から一転して、天幕で周囲を遮蔽した『女法王』は黙想する様子のカードです。

古い認識の死を体験しながら、見動きできず、じっとしているオリオンは黙想のような状態になっていたかも知れません。

導く天の目

オリオンは盲目を癒すために東へ誘う神託を聞き、単眼のキュクロプスのハンマーの音を頼りに東へと赴きました。

東は「太陽の昇る方角」であり、ものごとを照らすことのできる太陽の明るさは知性を象徴します。

キュクロプスという名称は、ギリシア語で「キュクロ(輪・円)」と「オプス(目)」から来ていて、「丸い目」と翻訳することができ、それは天の目である太陽だとされています。

鍛冶神とされるキュクロプスは元々、天空神ウラノスの息子たちであり、天空神の系譜です。

盲目の中で、天空神のはたらきかける音を聞きながら東を目指すオリオンは、これまでのオリオンとは全く異なります。

「太陽を目指し走るオーリーオーン」(ニコラ・プッサン:メトロポリタン美術館所蔵)

『女法王』の冠の天辺には、キュクロプスの導きを思わせる黄金色の小さい太陽のような円が描かれています。

エオス・ヘリオス兄妹

オケアノスにたどり着いたオリオンの姿を見て、明け方を司る暁の女神エオスが恋におちたとされています。

エオスの司る「夜明け」は、精神の「目覚め」に通じます。

象徴的に描かれるオリオン座の7つの星のように、7(Ⅶ)という数をもつ『戦車』は大きな目をもつ美青年として描かれています。

星空の上に朝焼けのような朱色のある『戦車』の天幕は、エオスからもたらされた恩恵を表わしているかのようです。

さらにエオスに頼まれた太陽神ヘリオスが陽光で目を癒しました。

ヘリオス・エオス兄妹と親しむオリオンは、オルテュギア島で女神アルテミスに出会いました。

アルテミスに円盤投げを挑んだことによって大サソリが放たれたとも、アルテミスと親しくなるのを快く思わないアポロンによって大サソリが放たれたとも言われています。

毒針をもつ大サソリはオリオンに死をもたらします。

太陽の繰り返し

この神話の中では太陽を思わせる象徴が何度も出てきます。

最初はキュクロプスとして天の目である太陽が出てきましたが、次はヘリオスとして太陽が登場し、遂にはアポロンとして登場しています。

オリオンは天空神の鎚の音で導かれ、太陽神ヘリオスに目を癒され、太陽神アポロンの放った大サソリに殺されます。

光明の洗礼を何度も受けているようです。

「巨大な体格」で象徴された「オリオンの荒々しい自我」が陽光の中で段々と小さくなり、死を迎えます。

『太陽』には、これまでの他のカードと異なり、小さい人物が描かれています。

夜明けから明るさを増す朝日の中に、溶け込んで見えなくなっていく「オリオン座」の姿のようです。

大さそりとワシ

『世界』のカードに戻ってみると、この中心にいるのはイエス・キリストではありませんが、キリスト教のタンパンにそっくりです。

タンパンの四聖獣は、4つの共観福音書に当てはめられていて、天使はマタイ福音書、牛はルカ福音書、獅子はマルコ福音書、ワシはヨハネ福音書に当てはめられています。

他の福音書と比べて、ヨハネの福音書は天の神秘がその特徴で、ワシは天に昇ったイエスを象徴するともされているようです。

ワシの象徴やオリオンを刺したサソリの話から推測すると、『世界』の「わし・さそり座」は光の神秘のよる「昇天のサポーター」と言えるのかも知れません。

ポンペイのオリオンの家のモザイク画では、オリオンの背中には蝶の羽根がついています。

蝶は生命や魂の象徴であるアニマを表わします。

「ゼウスの意志によるオリオンの星座への変容」(2018年にポンペイのオリオンの家で発見されたモザイク画:ソフィー・ヘイ博士による撮影)

このモザイク画にも、オリオンが「自我の死」を祝す「逆さの松明」が天使のような存在によって掲げられています。

ソフィア

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さそり座はオリオンを追う☆12星座の神話

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

一年でも一番寒くなる時期になりましたね。

それとともに、冬は一番、夜空の星が美しく見える時期です。

ぜひ、夜空の星に目を、意識を向けて見て下さい☆

さて、今回は、10月から試みて来た黄道十二宮の固定宮の神話をタロット的に読むシリーズのラスト、四聖獣のワシです。

「ワシは黄道十二宮にないよ」という声が聞こえてきそうですね。

確かにそうなのですが、

カモワン・タロットの制作者であるフィリップ・カモワン先生の著作『タロットの秘密のコード(LES CODES SECRETS DU TAROT)』によると、

現代ではさそり座と見立てられている星座は、過去には(特にエジプトで)わし座として見立てられていたそうです。

カモワン先生は著作の中では「わし・さそり座」と呼んでいるということです。

ということで、四聖獣のワシは、黄道十二宮に当てはめると水要素の固定宮のさそり座とご理解ください。

なので、このワシをさそり座として、神話を追っていくところから始めます。

☆ ☆ ☆

さそり座と所縁のある星座にオリオン座があります。

この2つの星座は天で真反対の場所に位置するのですが、真反対の位置であるが故にギリシア神話の中で共に語られています。

さそり座単独の神話ではありませんが、共に語られているからこそ分かる面白さとして見ていきましょう。

さそり座とオリオン座の神話

オリオンの誕生

かつてオリュンポスの神々は人間に身をやつして地上を旅することがありました。

あるとき、男やもめの老人ヒュリエウスがゼウスたち一行を温かくもてなしました。

その中でヒュリエウスは客人たちに孤独と、それ故に子どもがほしい気持ちとを告白しました。

神々はもてなしの礼として、雄牛の皮を地面に埋めるなどの魔法的手段でヒュリエウスに子どもをもたらしました。

荒々しい狩人オリオン

その子どもは長じて、凄腕の狩人になりました。

彼の名はオリオン。


「オリオン座」(版画)ヨハン・バイエルの『ウラノメトリア』 (アメリカ海軍天文台図書館)

粗野で好色なところがありますが、人並外れた巨大な体格の美青年です。

あるとき、オリオンはキオス島の王オイノピオンの娘メロペーに夢中になり、結婚を申し入れました。

メロペーとオイノピオンは荒々しいオリオンを好ましく思いませんでした。

それで死の恐れさえある困難な条件を出しました。

「人や家畜を襲うすべてのライオンのキオス島からの一掃」という難題です。

しかし狩りの名手であるオリオンは難なくそれをやり遂げました。

思惑のはずれたオイノピオンは約束を反故にしてしまいました。

オイノピオンに怒ったオリオンは酒に酔った勢いでメロペーを力づくで犯しました。

それに激怒したオイノピオンは父である酒神ディオニュソスの力を借りて、オリオンを泥酔させ、両眼を失明させて海岸に置き去りにしました。

陽光を目指す盲目のオリオン

盲目の暗闇の中で身動きできず、じっとしていたオリオンに神託がもたらされました。

それによると、東に行き、太陽神であり太陽であるヘリオスが、海神であり大洋であるオケアノスから初めて昇る時の陽光を目に受ければ再び見えるようになるということでした。

目の見えないオリオンは、鍛冶神ヘパイストスの鍛冶場から鳴り響く単眼の巨人キュクロプスたちのハンマーの音を頼りに東に行きました。

オリオンはレムノス島のヘパイストスの鍛冶場でケダリオンという見習いに出会いました。

体の大きいオリオンは、ケダリオンを肩に乗せて道案内をさせ、オケアノスまでたどり着きました。


「太陽を目指し走るオーリーオーン」(ニコラ・プッサン:メトロポリタン美術館所蔵)

太陽が昇るその前に、太陽神ヘリオスの妹である曙の女神エオスがオリオンを見て恋に落ち、ヘリオスが陽光でその目を癒しました。

大さそりとオリオンの死

オリオンと女神エオスは恋仲になり、エオスはオリオンをオルテュギア島に連れて行きました。

オルテュギアは女神レトが女神アルテミスを産んだ島でした。

アルテミスは狩猟と貞潔の女神、また月の女神でもあります。

凄腕の狩人としての自負のあるオリオンは「自分に狩れない動物などいない」と豪語したとも、アルテミスに円盤投げを挑んだとも言われています。

その身のほど知らずな言動が、アルテミス、もしくは大地の女神ガイアの怒りに触れたのか、毒をもった大サソリが神によって放たれました。

大サソリの尾の針で刺され、オリオンは死んだと言われています。


「さそり座」ヨハネス・ヘヴェリウスの『ウラノグラフィア』

別の説では、アルテミスの双子の弟である太陽神アポロンが、オリオンとアルテミスが狩猟を介して親しくなるのを快く思わず、サソリを送ったとも言われています。

サソリは忠実な仕事の遂行を称えられ、天に上げられました。

オリオンは女神の願いによって天に上げられたと言われています。

今でもオリオンは大サソリが追いかけて来るのを恐れていて、夜空にさそり座が現れる季節になると、オリオン座は地平線の下へと逃げ込みます。

大サソリが地平線の下に身を沈める季節になると、オリオンは夜空へと昇って来るのです。


「ゼウスの意志によるオリオンの星座への変容」(2018年にポンペイのオリオンの家で発見されたモザイク画:ソフィー・ヘイ博士による撮影)

☆ ☆ ☆

これら以外にも、オリオンの死の原因については多様なバージョンが伝えられていますが、今回はタロットの「わし・さそり座」的に神話を読むのが目的ですので、サソリ原因説に絞りました。

オリオンの物語の所々に、興味深いエッセンスが垣間見えているような気がします。

次回はこの神話からエッセンスを抜き出し、タロットの象徴を通して眺めていきたいと思います。

次回もぜひ読んでください(^-^)

ソフィア

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