水瓶で癒す『節制』☆星の神話とタロット

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

クリスマスですね。

素敵な贈り物を自分にもプレゼントしてはいかがでしょうか。

わたしソフィアは少々お高めのリップバーム等々、ちょっと奮発しました(^-^⁼

今回はみずがめ座の神話をタロットの象徴を通してみていきます。

前回のブログにギリシア神話の美少年ガニュメデスのお話を載せています。

まだ読まれていない方はそちらからどうぞ。

『ネクタルを注ぐガニュメデス☆12星座の神話』

☆ ☆ ☆

『世界』のみずがめ座

まず『世界』のカードでは、天使がみずがめ座として描かれています。

伝統的にマルセイユ・タロットの『世界』のカードには、黄道十二宮の固定宮の星座が四聖獣として描かれています。

その内の風の要素の固定宮がみずがめ座です。

では、みずがめ座のガニュメデスのお話をタロットの象徴と照らし合わせて見ていきましょう。

水瓶をもつ『節制』と『星』

水瓶という象徴についてタロットを眺めると、『節制』と『星』に水瓶そのものをもつ人が見当たります。

乳房が描かれている『星』は女性のようなので、ガニュメデスとは解釈しにくいですね。

『節制』は服を着ているので、体つきでは分かりませんが、顔つきをよく見るとハンサムな男性のようでもあり、ガニュメデスに見立てることができそうです。

(挿絵には詳細な象徴を描き込んでいません。お手元のカードか、カモワン・タロットスクール公式サイトのカード画像でお確かめください)

神々の献酌官の水瓶

ヘーベやガニュメデスの務める献酌官の役割は、神々にネクタルやアンブロシアなどを供することです。

それらの食物は、若返りや不死や傷の治癒をもたらします。

『節制』の数字の欄にはⅩIIII(14)という数が描かれています。

数で並べると、隣はⅩⅢ(13)で、そこには「死者」や「傷ついた人」がいます。

13

「死者」や「傷ついた人」に眼差しを向ける『節制』は、その状態を見抜いて、ネクタル等で癒しをもたらしています。

羊飼いのガニュメデス

「荒々しい内面や悪意のある内面をやさしそうな外見でカモフラージュ」している人を「ひつじの皮を被ったおおかみ」と表現したりしますが、

ガニュメデスは「羊飼い」であったとされています。

羊を「被る」のではなく、羊を「飼う」というのは、ガニュメデスが穏やかな内面性を養う人物であることの象徴です。

さらに、その背景となる場所は聖なるイダ山です。

イダ山は、女神キュベレーの崇拝の地でした。

女神キュベレーの息子であり夫である美青年アッティスは、キュベレーの霊感を受けて正気を失い、自らの手で去勢をしたとされています。

また、イダ山はヘルマプロディトスが育てられたところでもあります。

ヘルマプロディトスは、ヘルメスとアプロディーテの子どもで、両性具有の美少年とされます。

どうやら「美少年・美青年」とは、女性性と男性性がバランスした人物像を表わす言葉であり、

これらの神話における「去勢」とは、荒々しさを鎮め、穏やかな精神になることの象徴のようです。

天に去るガニュメデス

一般的に「ガニュメデスの誘拐」と題名をふられることがあるこの逸話ですが、

ガニュメデスを連れ去ったのが、暁の女神エオスであるという説には合点がいくところがあります。

エオスの司る「夜明け」は、精神の夜明けとしての「目覚め・覚醒・悟り」を象徴し得るからです。

アンフォラの「ガニュメデスに雄鶏を与えるゼウス、冠を被せる女神、ヘーベ」の冠を被せる女神の名は示されていません。

(ガニュメデスに雄鶏を与えるゼウス、冠を被せる女神、ヘーベ:黒絵式アンフォラ:紀元前510年頃:バイエルン州立博物館)

しかしガニュメデスに与えられているのが雄鶏であることを考え合わせると、冠を被せる女神が、夜明けを報せる雄鶏をアトリビュートとしてもつエオスである可能性があります。

「天に連れ去られた」とされるガニュメデスは、女性性と男性性の対立的概念を統合して覚醒し、「高次元界に昇った」「高次の意識に到達した」ということなのかも知れません。

『節制』は見抜く

一方、ほとんどのカードが黒い瞳で描かれるマルセイユ・タロットの中で、『節制』は唯一、瞳が黄色く描かれたカードです。

「見抜く」ことのできる「明晰さ」を表している瞳のようです。

『節制』の見る『ⅩⅢ』の黒い土の中には、土に埋まった男女の苦しげな頭があります。

やさしい眼差しの『節制』は、土の中から恨み言をいう男女を見つめています。

男女の違い、立場の違いなどの肉体的観点の偏りから苦しみが生じていることを見抜き、その人の本質の美しさを見つめて苦しみを和らげ、相手を勇気づけています。

きっとガニュメデスの美しさは、肉体的なものだけではなく、陰と陽のバランスがとれた精神の強さ・美しさを表わすようなものだったのではないでしょうか。

みずがめ座は『世界』にもいますが、そこでは水瓶をもっていません。

それは『世界』の真ん中の人が他者から癒される必要のない素晴らしい状態にあり、むしろ周りの人に目を配っている人だからのようです。

神話とタロットを照らし合わせると、両方の理解が進みます。

神話もタロットも奥が深いですね(^-^)

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

獅子を制御するパワフルな『力』の乙女☆星の神話とタロット

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

今回は、黄道十二宮の神話をタロットの象徴を通して見ていくシリーズの獅子座の回です。

前回のブログにギリシア神話のヘラクレスと格闘した「ネメアーのライオン」のお話を載せています。

読まれていない方は、まずそちらからご覧ください。

『ヘラクレスvsネメアーのライオン☆12星座の神話』

ネメアーのライオンのお話をタロットの象徴でさらっていきましょう。

☆ ☆ ☆

ライオンは『力』と『世界』に

まずは、12功業においての「ネメアーのライオン」という題名に基づき、

マルセイユ・タロットの大アルカナ22枚を見渡すと、ライオンらしき象徴がまず『力』と『世界』に見当たります。

『世界』の落ち着いた様子のライオンはゼウスによって天に上げられた後のライオンの姿です。

『力』のカードを見ると、ヘラクレスの怪力に遜色ないパワフルな乙女と荒々しそうなライオンが描かれています。

何といっても、このカードの名称は『力』<LA FORCEラ・フォルス>です。

乙女は、ライオンを腕で制御するという常人では考えられない行動をしています。

『世界』のライオンがみんなと調和して輪になっているのに対して、『力』のライオンは歯をむき出しにしています。

ネメアーのライオンのように獰猛そうですが、乙女に抵抗しつつも制御されているようです。

パワフルな棍棒による攻撃

弓矢では手ごたえを得ることができませんでしたが、ヘラクレスは得意の棍棒でネメアーのライオンを退治するきっかけをつかみました。

棍棒は『杖(火)』の象徴です。

ヘラクレスの棍棒はオリーブの木で出来ていると言われていますが、前回の牡牛座のイーオーがつながれていたのもオリーブの木でした。

オリーブは採油植物であり、オリーブオイルで火を灯すことができます。

ここでは「光」を得ることを示唆する象徴です。

光を得る(明晰さ・賢明さ)棍棒で、ヘラクレスはネメアーのライオンの頭を一撃します。

『力』のライオンの胴の下を見ると、棍棒のような黄色い象徴が紛れているように見えます。

ライオンはすでに棍棒で光の攻撃を受けた後なのかも知れません。

ヘラクレスの一撃にたまりかねたネメアーのライオンは洞窟の中に逃げ込みましたが、それは「光」に対する「暗がり」、「明晰さ」に対する「頑迷さ」なのかも知れません。

ライオンを追って洞窟の中に入ったヘラクレスも「暗がり」で、自分の中の「恐れ」や「頑迷さ」に向き合うことになったでしょう。

皮に切れ込みを入れるパワフルな爪

ヘラクレスは、強靭なライオンの皮にナイフで切れ込みを入れることができず、はぐことがませんでした。

通常、狩人たちはナイフで獲物をさばきます。

ナイフの刃でも、矢の鏃でも貫通できないネメアーのライオンの強靭な皮は、『剣(風)』が象徴する知性というアプローチだけでは太刀打ちできない問題を象徴します。

まるで理路整然と説明しても分かってくれない頑固な人物を相手にしているようです。

その困難な局面を女神アテナのアドバイスを受け入れることによって、ライオンの爪を使い、切れ込みを入れてはぐことができました。

アテナは知恵と戦略を司る戦いの女神なので、『剣』の徳性も『杖』の徳性も授けることができます。

理論と衝撃を一度に与えられます。

鋭さがありつつ強さがある爪は『剣』と『杖』の両方の性質を兼ね備えているように見受けられます。

『力』のライオンの体を見てみると、上半分と下半分で色が異なります。

もしかすると、切れ込みが入れられ、皮がはがれているのかも知れません。

パワフルな乙女はインパクトのある赤い爪をライオンに指し向けています。

アテナの助力を得たヘラクレスは、『剣』の象徴する「知力・理性」と『杖』の象徴する「勇気・度胸」を発揮して、暗がりの恐ろしい猛獣に対処することができました。

それによってヘラクレス自身が一皮がむけたと言えそうです。

やっぱり強い『力』

フランス語の<forceフォルス>は体の力だけでなく、勇気や精神力など、心の力も意味します。

<LA FORCEラ・フォルス>という名称は『力』の乙女が勇気や精神力をも司る女神であることを示しています。

降ってきたライオン

カモワンの「3×7タロット・マンダラ」を見ると、面白いことに気づかされます。

カードをお持ちの方はマンダラを並べてじっくり眺めてみてください。

気づくことがあるかも知れません。

(マンダラは下記リンクからご覧になれます。)

カモワンの「3×7タロット・マンダラ」

ネメアーのライオンの母親は月の女神セレネであるという説がありますが、「3×7タロット・マンダラ」を見ると、『力』の上には『月』のカードがあります。

「月が身震いをしたときにネメアーのライオンが降ってきた」というエピソードにぴったりの位置関係です。

『月』には天体のすぐ下に2頭の4つ足の動物がいます。

月の女神セレネが「母親」であるという前提で、その下にいるのがネメアーのライオンだと解釈しても、「子ども」なのでまだたてがみが生えていないようです。

(ヘラクレスはネメアーのライオン退治の前に、キタイロンのライオンを退治しています。それを物語るように獅子座の上には小獅子座があります。)

モロルコスの羊についてですが、羊の象徴はいずれ牡羊座について調べるときのための楽しみにしましょう。

ヘラクレスは牡羊座の神話のアルゴー船の乗組員の一人でもあります。

神話とタロットとの繋がり、本当に興味深いですね(^-^)

ソフィア

※ライオンの詳しい象徴や『剣』『杖』などの四大元素は、カモワン・タロットの初級「手品師コース」で扱われています。

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

ヘラクレスvsネメアーのライオン☆12星座の神話

こんにちは、アントレへ、ようこそ。

前回は牡牛座のイーオーの神話を元に探索しましたが、

牡牛座をどの神話に見立てるかということで様々な意見があります。

アストロロジーにおいての黄道十二宮の基本的なルールでは、牡羊座が男性、牡牛座が女性、双子座が男性・・・と交互に配置されているところから、

女性に区分されている牡牛座には、ニンフの女性であるイーオーが牛になった神話がよい選択肢なのではないかと思っています。

今回は『世界』のカードで牛の隣側にいるライオンに焦点を当てましょう。

獅子座です。

獅子座は男性に区分されます。

たてがみのない雌ライオンではなく、ふさふさしたたてがみのある雄ライオンを想像して進めていくことができます(^-^)

☆ ☆ ☆

獅子座のエピソードである「ネメアーのライオン」は、ギリシア神話の中でも第一級の英雄であるヘラクレスのお話の一つです。

ヘラクレスは最高神ゼウスと人間の女性の間に生まれた半神半人の英雄です。

ある日、ヘラクレスは女神ヘラーに狂気を吹き込まれて、妻と子どもたちを炎に投げ込んで殺すという大罪を犯しました。

(よいことも悪いことも大きな出来事が生じた際には、大方、最高位の女神ヘラーか、最高神ゼウスがきっかけとされているので、ここは細かく考えずにいきましょう。)

ヘラクレスは罪を償うためにデルフォイの神殿へ行き、アポロンの神託を受けました。

下ったお告げは「ミュケナイ王エウリュステウスに仕えて仕事を果たせ。その後に不死になる」というもので、そこから始まるのが「ヘラクレスの12功業」です。

☆ ☆ ☆

ヘラクレスとネメアーのライオンの神話

その頃、ミュケナイ王エウリュステウスの領地のアルゴスでは、ネメアーの谷に恐ろしいライオンが住んでいて人々を苦しめていました。

ネメアーのライオンは、母親が怪物エキドナであるとも、月の女神セレネであるともされ、月が身震いをしたときにネメアーのライオンが降ってきたと言われています。

ネメアーのライオン問題に困っていた王エウリュステウスですが、英雄ヘラクレスが仕えたいと来訪したものですから、これ幸いとばかりにライオンを殺しとその皮を持ち帰ることを命じました。

ヘラクレスはネメアーの谷に赴く途中、ゼウスの神殿の森に住むモロルコスという名の農夫に出会います。

ネメアーのライオンを退治しに行くと聞いたモロルコスは、自分が飼っている唯一の羊を殺してヘラクレスをもてなそうとしました。

ヘラクレスは羊の犠牲を1か月待ってくれるように頼みます。

「自分がライオンとの戦いに敗れて帰って来なかったら自分のために捧げてほしい。もしライオンを退治できたらゼウスの神殿に捧げてほしい」と。

ネメアーの谷に到着したヘラクレスは、アポロンの神殿で授かった矢でライオンを撃ちますが、ライオンの驚くほど強靭な皮膚は矢を跳ね返してしまいます。

そこでヘラクレスは得意の棍棒でライオンに立ち向かいました。

オリーブの木で出来ているとも言われるヘラクレスの棍棒がライオンの頭に命中すると、ライオンはたまらず洞窟の中に逃げ込みました。


(ヘラクレスとネメアのライオンの戦い、ピーター・パウル・ルーベンス)

ヘラクレスは洞窟の入り口を岩でふさいで逃げ道を封じ、ライオンに挑みかかります。

ヘラクレスは格闘の末、両手でもって窒息させることで不死身かと思われたネメアーのライオンを退治することができました。

ライオンの皮を持ち帰るために、ヘラクレスはナイフを使いましたが全く刃が入りません。

すると、その窮地に気づいた知恵と戦略の女神アテナが変装してやってきて、ライオンの爪を使うことを助言します。

ライオンの爪を用いると皮に切れ込みが入り、ヘラクレスは皮をはぐことができました。

ヘラクレスがモロルコスの小屋まで辿り着くと、モロルコスはゼウスの神殿に羊の犠牲を捧げました。

ライオンの死骸を担いだヘラクレスが王エウリュステウスのところに戻ると、王エウリュステウスは恐怖のあまりに大きなブロンズの壺に飛び込んで身を隠します。

そして「これからは仕事の成果を門の外で披露し、伝令を通して報告するように」と命じたのでした。

このライオンの毛皮は、この後、ヘラクレスが身につける特別なシンボルであり続けます。

獅子座は、ゼウスが息子ヘラクレスの戦果を祝って天に上げたとも、動物の王として天に上げたとも言われています。

☆ ☆ ☆

次回はヘラクレスやライオンをタロットの中に探して、象徴をしらべていきます。

すでに「あのカードだ」と検討がついているかも知れませんね(^-^)

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。