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クイズ解説・<中の森>休息所

クイズへのご参加ありがとう。

こちらは解説をする<中の森>休息所です。

<入口の森>よりワンランクアップしたクイズでしたので、解説が少し長めになるかも知れませんが、お付き合いください(^-^)

では1問目からご覧ください。

#1. マルセイユ・タロットの中の象徴にも取り入れられている卑金属から貴金属を生ずることになぞらえた神秘学を何という?

A.錬金術(アルケミー)
卑金属から貴金属を生ずることになぞらえた神秘学を錬金術、アルケミーといい、アルは定冠詞、ケハムはハム族で、エジプト学と訳されることもあります。それを専らとする人を錬金術師、アルケミストと呼びますが、霊的探求・不死や若返りの探求・物質的探求をした人たち、さらには錬金術を隠れ蓑にした詐欺まがいのことをする人たちまでいて、錬金術師の研究成果や実像は不明なことが多いようです。

 

#2. ギリシア神話のヘルメス神の杖には名前があります。その名前は?

A.カドケウス(ケリュケイオン)

ギリシア神話のヘルメス神の杖はカドケウス(ケリュケイオン)という名前をもっていて、杖に翼があり、2匹のヘビが巻きついていることがその特徴です。類似したシンボルに杖に1匹のヘビが巻きついたアスクレピオスの杖があり、医療の象徴になっています。その2つはしばしば混同されてしまうことがあります。違いを覚えておきましょう。
タロットマンダラの9番目のカードである『隠者』はヘルメス神ゆかりの「小さなヘルメス」の名前をもっていて、ヘビのようにくねった赤い杖をもっています。

 

#3. 『運命の輪』のてっぺんにいる生き物を何と言う?

A. スフィンクス
『運命の輪』の天辺に君臨するように座しているのはスフィンクスという混成動物です。スフィンクスらしき生き物は古代エジプトやヨーロッパ、中東、アジアの文化の中でまで散見されます。
『運命の輪』に描かれているのは女性的なスフィンクスで、ギリシア神話の中に伝えられるスフィンクス像だと言われています。最も有名なものにオイディプスとの対決の逸話があります。

 

#4. 『節制』の天使の足元にある黄色い象徴の元になっている図像は何?

A. ウロボロス

『節制』の天使の足元にある黄色い象徴の元になっている図像はウロボロスと呼ばれるものです。このウロボロスは2匹のヘビが絡み合っていますが、へびが1匹だけの場合もあります。(2匹の場合は互いに、1匹の場合は単独で)ヘビは尻尾をくわえていて、循環するものを象徴しています。秘儀参入の学問の場では、宇宙のような死と再生の循環を表すことが多いようです。

 

#5. 『世界』のカードの四隅にいる生き物たちの総称は何?

A. 四聖獣
『世界』のカードの四隅にいる生き物たちを四聖獣と呼びます。フランス語ではテトラモルフtétramorphe、元は古代ギリシア語から来た言葉です。四聖獣たちは天使の輪のようなものをつけていて、やさしそうな存在・聖なる存在であることが分かります。

 

#6. 宮廷カードに蓋のついたカップが描かれたカードがあります。そのカードは?

A.杯の女王
蓋つきのカップをもっているのは宮廷カードの杯の女王です。宮廷カードの人物がもつ象徴にも、大アルカナに描かれた象徴同様に大切な意味が込められています。数カードや宮廷カードの見方・解釈については手品師コースのSTAGE3で知ることができます

 

#7. マルセイユ・タロットにはカード製作者(カルティエ)の名前を特定のカードに記載するという決まりごとがあります。そのカードは何?

A.玉Ⅱ

マルセイユ・タロットにはカード製作者(カルティエ)の名前を玉Ⅱに記載するという決まりごとがあります。カモワンタロットの玉ⅡにもS字型のリボンに「CAMOIN(カモワン) JODOROWSKY(ホドロフスキー) 1471-1997」の表示がされています。大アルカナや宮廷カードに比べると、数カードは象徴が少なめですが、描かれた植物などの象徴と数の間に関連性があることが分かります

 

#8. カモワン版マルセイユ・タロットの製作者は2人。その内の1人はフィリップ・カモワン。もう1人の名前は?

A. アレハンドロ・ホドロフスキー
カモワン版マルセイユ・タロットの製作者はフィリップ・カモワンとアレハンドロ・ホドロフスキーです。アレハンドロ・ホドロフスキーはカルト映画の巨匠として有名です。80歳を超える現在でも、SNSなどを使って精力的に情報発信しています。フィリップ・カモワンは彼が保持するマルセイユ・タロットの智慧の秘密を書き残すべく著作を続けています。

 

#9. カモワン版マルセイユ・タロットの源流にあるのがコンヴェル版マルセイユ・タロットですが、製作者は誰?

A. ニコラ・コンヴェル
カモワン版マルセイユ・タロットの源流のひとつがコンヴェル版マルセイユ・タロットで、その製作者は天才彫り師と呼ばれたニコラ・コンヴェルです。姓は婚姻の関係で異なっていますが、ニコラ・コンヴェルはフィリップ・カモワンの先祖です。フィリップ・カモワンはニコラ・コンヴェルの残した版木やそのタロットを所有し、それを基に更に研究を重ねることによって、マルセイユ版タロットを本来の姿にまで復元することができたのです。

 

#10. タロットと呼ばれるものの中で、現存している中で最古のものは何?

A. ヴィスコンティ・スフォルツァ版
現存している最古のタロットと呼ばれるものはヴィスコンティ・スフォルツァ版です。ヴィスコンティ・スフォルツァ版はその時点で存在していた何らかのタロットを元にヴィスコンティ公爵がその時代の風俗を描き込ませたものであるため、タロットの秘伝が失われた形になっている可能性が高いと推測されます。ヴィスコンティ・スフォルツァ版はあくまで「現存する」最古のタロットであり、「最古のタロット」ではないことを分かった上で参考にしてください。

 

 

ここまででクイズ解説の<中の森>休息所は終わりです。

1歩進んだタロットの知識を楽しんでいただけましたか?

また遊びましょう(^-^)/~~~