『愚者』☆真実の心の誠実に生きる
こんにちは、アントレにようこそ。
今回はタロットの代表的なカードである『愚者』について。
『愚者』という名前は表面的なもので、実は『巡礼者』というのがこのカードの本質です。
『愚者』というのはこのカードが逆向きの場合は「くよくよして前向きになれない状態」であることから、賢明な答えが出せないので該当します。
このカードの人物を愚かと捉えるのは、損得勘定などにはまってしまった視点からの場合です。
『愚者』は愚直と言われるほど、「自分の真実の心」に誠実に生きるカードです。
求道のために私財を捨てたアッシジの聖フランシスコや聖ロックのような人の生き方が、自分の理解を超えるものであるがゆえに、世の中はそれを「愚か」と呼ぶんですね。
この人の担う荷物の棒はスプーンのように見えます。
錬金術の道具のひとつです。
スプーンはすくったり、かき回したりします。
『愚者』は個々の人のもつ思い込み・既成概念をかき回すトリックスター的な存在です。
「その常識の枠に囚われていてもいいの?」と『愚者』は問いかけます。
歩んで行く人生の旅そのものが『愚者』の錬金術的実験の場なのです。
『愚者』は星がある方向である上を見ています。
星は目標であり、輝き・光です。
陽子と電子をぶつけて光子を発生させるように、錬金術的実験で、陰と陽、二元性をぶつけて明るい視点を生じさせます。
例えば、「外交的」「内向的」の二元があったら、その片方に偏るのではなく、両方を自分のるつぼで融合させて、新たな視点を得る実験ができるのです。
『愚者』の旅は、まとっているスカーフのギザギザのように山あり谷ありですが、一歩一歩を大切に歩んでいます。
腰の辺りには空色の犬がついて来ています。
これは守護存在です。
『愚者』が見つめる方向を見失わないように、もし見失っても、またもう一度それを見出せるように、空色の犬は旅の全行程に随行しているのです。
わたしたちの全てが『愚者』です。
「自分の真実の心」を指針にして、まっすぐに生きていくと、旅の終わりに、全てが見晴らせる小高い場所にたどり着くことができます。
そのためのコンパスとナビゲーターはいつもわたしたちに与えられているようです。
ソフィア