それぞれの器、それぞれの形で
こんにちは、タロットの世界へようこそ。
タロットをスクールで勉強すると、タロット・マンダラは人生の宿場であることを伝えられます。
わたしたちは人生の旅を続けて1つ1つのコマを進んでいくわけです。
誰もがそれぞれ別の「今回の人生のテーマ」をもっているので、タロット・マンダラのどのコマに取り組んでいるかは違います。
つまり人生で大切なことがそれぞれに異なります。
友情だったり、愛情だったり、仕事だったり、自己の成長だったり、と様々なわけです。
では、ある魂Aが『戦車』のテーマを器として生まれたと想定しましょう。
この『戦車』は、人間界での勝利者が凱旋パレードをしている様子が描かれているカードです。
この人物像は人間界において、自分自身を上手にコントロールしながらバリバリ活躍することをテーマにしています。
それはちょうど車を運転するときのようです。
早く走りたくても、危険な場所でスピードを出さないように気をつけたり、穴ぼこをかわしたりはしなければなりませんが、それ以外は気の向くままです。
魂Aは、ときには何回か転生を繰り返しながら、ついに完全にこのテーマを習得し、人間界の勝利者になります。
では魂Aが入った人物が思い違いから、自分のテーマではない『力』のテーマを生きようとしたらどうでしょうか。
『力』は、ライオンが乙女に手なづけられ、乙女のパワーと同調することによって、その力に基づいた奇跡的なことを起こせると様子のカードです。
自分の気の向くままに勝利を達成するはずの人が、乙女のパワーを聞き知って、奇跡を起こそうと、自分の動機を放棄しようとしても何も起こりません。
「自分の気持ちの赴くように進む」という経験を積んでいるときに、乙女の魂と同調することは難しいでしょう。
そもそも「奇跡を起こそう」と考えたことそのものが「自分の気持ち」であり、『力』のテーマには入っていないはずです。
逆もしかりで、『力』をテーマとした魂Bが『戦車』のバリバリ進む生き方をしようとしても上手くいきません。
魂Bには乙女のパワーがすでに共にあり、そのパワーは「おだやかにね」というヘッドロックを常にかけるからです。
『戦車』の魂Aも、『力』の魂Bも、自分のテーマに気づいて専心することが大切なようです。
では今度は『星』のカードを見てみましょう。
この人物は静かな楽園にいて、水瓶で水を注いで楽園の世話をしています。
ファーマー(農夫)やガーデナー(庭師)と解釈されることもあるカードです。
そこに魂Cが入り、経験を積んでいます。
では、魂Cが『世界』に取り組もうとしたらどうでしょうか。
『星』は水瓶2つが自分のアイテムでしたが、『世界』では多くのアイテムを使いこなすことが必要なようです。
また静かな楽園とは異なり、『世界』なかなかにぎやかな状況です。
腰を落ち着けて、大地にゆっくりと水遣りしていた楽園とは異なり、『世界』のカードでは中央に踊る場所が設定されています。
『星』の魂Cにとって、『世界』の中央はしっくりくる場所ではなさそうです。
そして、ここでも逆もしかりです。
『世界』の取り組みをしている魂Dにとって、『星』の楽園は静か過ぎる場所です。
自分が目を配るはずの仲間もいなくてやりがいが少ないと感じ、空しく思うかも知れません。
自分の真実の思いを知ることが大切です。
自分が「誰かの言ったこと」「社会の定義」などによって、本来の自分の器と異なるものになろうとするとしたら。。。
それは自分を違う器・形の中に閉じ込めて苦しめるだけです。
生き方について苦しみを感じていたら、現在、自分に課している器が合っているのか確かめる機会なのかも知れません。
その人にとっての最善は、その人にしか分からないものがあります。
器が『戦車』『力』『星』『世界』などどんな形であったとしても、自分が自分をないがしろにしない形の生き方を見つけること。
その器を受け入れて、しっかりと生きること。
それがタロット・マンダラのどの辺りにいるとしても、自分の人生を生きるための大切な鍵です。