もう一度シンボルで民話を読む☆眠れる森の美女(その2)
こんにちは、カモワンタロット福岡のブログへようこそ(^-^)
先月は民話の『眠れる森の美女』について書きました。
前回の分はこちら。
新たな道標を見つけました。
神智学協会のサイトの興味深い記事です。
「ヤコブの梯子」についての論文で、書いたのはメリー・アンダーソンという方です。
(神智学協会のホームページ http://theosophy.jp/)
創世記28章が引用してあり、その中の解説には進化の暗示的道標としての『眠れる森の美女』を分かりやすく見せてくれる記述がありました。
時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。
(創世記28-12)
昇り降りしている存在のいる『運命の輪』を想起させます。
28章の後半では『神の家』を想起させる部分があります。
意識などの「進化する」というときの「evolve」は「繰り広げること、展開すること」とされています。
それは、ラテン語の「volvere」(回る・巻く・巻き込む)に、「e」(外に)という接頭語がついたところから来ているらしいのです。
つまり意識の進化・展開がある前には、意識が物質などに包まれ、巻き込まれている段階がプロセスとしてあるのです。
意識が物質に囚われたり、物質的なことに魅了された後にそこから解放されるのです。
(糸を紡ぐ糸車に似た『運命の輪』)
『眠れる森の美女』である姫が手を刺したのは糸車の錘(つむ)でした。
糸は錘(つむ)以外でも、例えば手まりでも巻きますが、手まりは巻き上げたものが完成品です。
錘(つむ)は糸を巻くことそのものは目的のものではありません。
糸を巻いて紡ぐ理由は、機織などのために解くことを目的としています。
解くことを目的とした物が小道具として用いられていることがポイントです。
眠り姫が目を覚ますということが一番はっきりしたシンボルです。
それだけでなく、眠りの「暗さ」から「夜明け」さらに煌々とした「昼の明るさ」に前回、言及しました。
論文から受け取った理論で象徴を見ると――
お話の序盤では、糸を「紡ぐ=巻く」ための錘(つむ)が出てきます。
そして姫が眠ると茨で城が包まれます。
後半になると、城を包んだ茨が王子が通るときになぜか「ゆるみ」ます。
最後では、姫たちが乗った馬車が入っていくために、お城の門が「開かれる」イメージができます。
形を変えて繰り返しているといってもよさそうです。
また、お話の中では、お姫さまが眠っていた100年は夢のように過ぎたとされ、お姫さまも100年の間、おもしろい夢を妖女の力添えで見つづけていたとされています。
意識の衰退と進化の繰り返しの中、目覚めを迎える前のわたしたち人類の意識はちょうど夢の中にいるようなものなのでしょう。
仮に苦労や悩みがあったとしても、目覚めた後には「面白い夢だった」とわたしたちは語るのかも知れません。
民話はいくつもの暗示によって、意識の進化の印象をわたしたちの中に投げ掛けています。
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