タロットの中の尊い自然たち
こんにちは、タロットの世界へようこそ。
12月にカードの背景として描かれた草についての記事を書いたのですが、一部の人には面白がってもらえたかもと思うのですが、どうでしたでしょうか。
そのときに大アルカナを一通り見ていっていたら、草に触っている人が描かれたカードがあるのに気づいた人もいたかも知れません。
そのカードは16の『神の家』です。
植物は自然の一部です。
ですから『神の家』に描かれた人たちは「自然に触れている、自然と関わっている」と言えます。
大アルカナの16枚目になって、人間は初めてしっかり植物と関わることできるんですね。
自然の生物との関わりということで言えば、11の『力』のカードにライオンが乙女に制御される形で描かれています。
この様子は関わりあっているというより調教の傾向が強いので、自然との触れ合いとは言えないようです。
じっくり見ると、神の家の前にいる人たちがふたりともそっと「指先」で草に触れているのが分かります。
フランス語の『指で触る』という表現には、もっと特別な意味が含まれていて、対象を「はっきりと理解する」ことを意味するようです。
見たり、聞いたりするだけではなく、自分自身が肌身で経験することを重視する考え方です。
コックさんがマルシェで素材を確かめているのをイメージするといいかも知れません。
「手・指」のもつ能力を大切にし、芸術や技術に重きをおいてきたフランスらしさにあふれた表現なのでしょう。
『神の家』のところにいる彼らは神のエネルギーに触れていますが、それによって植物にコンタクトし、はっきりと理解することができるようになった人たちなのかも知れません。
これはブログ用の挿絵なので、省いてしまっているのですが、本物のカモワン・タロットで表情をよく観察すると、かすかに微笑んでいるように見えます。
神のエネルギーや自然との交流を喜んでいる証と見ることもできそうです。
手前の人は宙返りまでして歓喜を表わしています。
『星』のカードでは、人物が自然の中でかしずいています。
これを自然に向かってひざまずき、かしずいていると見るならば、アニミズム(自然の万物には神が宿ると考えて敬う自然信仰)とリーディングすることができます。
この人の背後には豊かな緑地、木々、動物、まばゆく輝く星々も見えます。
この人には自然という「後ろ盾」があり、自然に守られつつ、自然に奉仕しています。
この人は自然の精霊たちに支持されていて、ひょっとすると後ろの木々や鳥、星々ともコミュニケーションもできるのかも知れません。
この人の片膝をついて座っている姿勢は、その領域に深く入り続けている様子を思わせます。
南フランスの教会で膝つき台というものを見ましたが、それはひざまずいて祈るためのものです。
この人の足元にあるのはそのようなものかも知れません。
するとやはりこの人は自然の中の神聖なるものに仕えたり、それらに祈ったりしているのでしょう。
尼さん、シャーマンや巫女さんが斎戒沐浴をしている様子を表わすとしたら、このカードになるでしょう。
自然の中に神聖なるものを見いだし、それらとコミュニケーションできるようになりたいものです。
こちらが早くそうなることをあちらも願ってているかも知れませんよ。
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