星がのびやかであるために

17の『星』はタロットの人物としては唯一ひざまずいた姿勢をしているカードです。

この珍しい姿勢を今回はじっくりみてみましょう。

タロットは(脱線しない程度に)シンボルのイメージを広げていくと捉えやすくなります。

17letoille

:『星』

『星』の姿勢からイメージを――

例えば、正立の場合、その姿勢を安住の様子、リラックスの様子、謙虚さなどと読むこともできます。

すぐに動こうと思っているときには、ひざをつく体勢は不向きです。

この人物は少なくとも今しばらくは急ぐつもりはないのでしょう。

川沿いで瓶をもって屈んでいる姿は水浴びでしょうか。

あるいは特別な沐浴をしているのかも知れません。

だとしたら、心も体もきれいに整えているのでしょう。

そう思ってながめるとすがすがしさや気持ちのよさがイメージされます。

隣に来るカードの組み合わせで読み取ることもできます。

数順に並べると隣に16の『神の家』がありますので、試しにその組み合わせで見てみましょう。

16la%ef%bd%a5maison%ef%bd%a5diev

:『神の家』

このカードを『星』の人物が見ているとすると――

何か大きなものの前に謙虚になり、頭を垂れている様子なのかも知れません。

一方で、逆向きの場合はそこに問題が生じているので、何か辛そうに見えてきます。

足をくじいて立ち上がれず、休んでいるのかも知れません。

あるいは体の問題ではなく、だらだらと過ごしすぎていることを表わす場合もあるでしょう。

先ほどの『神の家』との組み合わせなら、大きなものの前に意気消沈して縮こまっていると読むこともできます。

タロットを展開してみたら、気になるカードを中心にイメージを広げていってみてください。

読み込む必要のある光景がタロットのパワーできっと見えてくるでしょう。

『星』が正立になり、のびやかに過ごせるようになるためのカギをタロットが教えてくれるはずです。

%e3%82%bf%e3%83%ad%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af-%e7%b7%a8%e9%9b%86%e6%b8%88%e3%81%bf
 Click here

ⅩⅧの「月」 -葛藤するということ-

18la%ef%bd%a5lune

 

人は葛藤をするものです

この「月」というカードは葛藤することの意味を描いています


葛藤するというのは
自分の欲望、こどものようなわがままさ、物質的な観念などと
神聖なる考え、冷静で大人の発想、執着しない純粋さとが
お互いに対立し、揺れ動く様子です


そもそも初めから冷静で大人な考えができるのであれば
葛藤なんかするはずはなくて、
大切だとわかる答えをすぐに出せるはずです


おそらく葛藤するのはただ対立しているだけでなく
本質が見えなくなって、困っている答えをだせずにいる五里霧中の状態だからなのだろうと思うのです


そんなときは、
大人のふりをせずに、急いで先に進もうとせずに
一度立ち止まって
とりあえず、欲求にまかせていろんなことを
妄想してみるとよいかもしれません


自分の欲求通りに選択して、物事が進んだことを想像して
欲求をかなえた時に起こることを事細かにイメージしてみます
そしてその事実を受け止めてみて、
そのときに湧き上がる感情を感じてみます


一方、冷静に大人の考えでその欲求とは違う選択を想像してみます
執着を手放すことも含め、自分本来の魂の声を聴きながら
自分の心はどちらを素直に受け入れることができるかを考えてみます


多くの場合、欲求だけしか満たさない事実は
欲求を果たした後の自分を想像すると
どこか胸がそわそわするような落ち着かない感覚や違和感を感じるはずです


本来の自分が素直に受け入れられる選択を想像したときは
どこか晴れ晴れとして、笑顔の自分がそこにいるはずです

 

ここで大事なことは、理屈で考えないことです
いろんなことを想像し、体験する中で
どんな感情が沸き起こるかを感じることが大事です


この「月」は「感情」的なことをテーマにしているカードです
知識や経験などをもとに論理的に考えることはあえてせず
自分が感じる、好き/嫌い、気持ちいい/気持ちよくない
楽しい/哀しいといった感情を中心において考えるのです


そうやって、湧いてきた感情によって、欲求が単なる欲求だったとわかるだけでなく、
本当にしたいことはなんなのか、なりたい自分は何なのかということがわかって、
その先のステージへと進むことができるのです


「月」に描かれた2匹の犬は
門の前に居るスフィンクスです
スフィンクスが門を通る前にあなたに問答をする様子を描いているのです


その問答で自分のなすべきことがわかると
葛藤は終わり、門の向こうへと進むことができるのです

 

『神の家』のお話

こんにちは、ソフィアです。

このカードは『神の家』(LA・MAISON・DIEV)です。

(綴りが現代フランス語とは少し違っています)

16la%ef%bd%a5maison%ef%bd%a5diev

天からの冠が下された誇らしい状況を表わしています。

祝福の花火のようなスパークが飛び散り、

びっくりした人が家から飛び出したり、道行く人が跳ね返ったり。

現代のタロットでは建物が崩れたりしていますが、

古来のマルセイユ・タロットの伝統では崩れたものではありません。

その証拠に、冠は建物より上に描かれています。

このカードによく照らし合わされるのがバベルの塔のお話です。

創作され、枝葉がついている物語ですが、元本はとてもシンプルです。

旧約聖書でバベルの塔の出て来る大筋は

「同じ言葉を話していた民たちはちりぢりになることなく同じところに留まり続けました。

そして自分たちの業績を残そうとバベルの塔を作りました。

しかし神の意図は人間や動植物が世界中で増え栄えることでした。

それで神は単一だった言葉を乱しました。

人々は塔の建設をやめ、同じ言葉の者同士で各地に散らばっていきました」

となっています。

一つの言葉をしゃべっていた人々が、言葉が分裂したために分散していったというお話です。

建物が崩された記述はありません。

お話の中の人々のように、

このカードの中の人も建物から出ようとしています。

タロット・リーディングの際、

質問によっては、このカードが正立だったり、解決として出たとき、

「家(あるいは組織・建物)を出ることは問題ない」「家を出ることが解決」と読むことがあります。

もし、何かの決断をして、旅立とうというとき、再スタートしようというとき、

このカードが未来に凛と立っていたら・・・

それはとても喜ばしい門出なのかもしれません。

例の塔のように神意を受けての出立なのかも知れないからです。

タロットカードにはさまざまな叡智が描かれています(^-^)

%e3%82%bf%e3%83%ad%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af-%e7%b7%a8%e9%9b%86%e6%b8%88%e3%81%bf
 Click here