カモワンタロットの真実

episode 5

もう4年前になりますが、2016年にアレハンドロ・ホドロフスキー著の「タロットの宇宙」が出版されました。
これはすでに2004年にフランス語版で出版された「LA VOIE DU TAROT」の日本語版です。

その後、英語版「THE WAY OF TAROT」が出版されましたが、日本語版がでるまでにずいぶん時間がかかりました。
(仏語版、英語版ともに、タイトルを和訳すると、「タロットの道」です)

期待していた人がたくさんいたのではないかと思いますが、この本には、リーディングの動的展開法であるカモワン・メソッドについては書かれていません。

以前にも書きましたが、あらためて書いておきます。
カモワンタロットは、カモワン版マルセイユ・タロット、もっと正確に言うとホドロフスキー・カモワン版マルセイユ・タロットと言います。

カモワンタロットは、フィリップ・カモワンとアレハンドロ・ホドロフスキーの二人によって、数多くの伝統的マルセイユ・タロットを研究・分析された結果、失われた図柄などの発見をしながら、非常に高い精度での復元が行われ、今から約20年前の1998年に発行されたものです。

ホドロフスキーは著名な映画監督であり、1970年の『エル・トポ 』は有名ミュージシャンたちに絶賛され、現在ではカルトムービーの金字塔のひとつとされています。
タロットに関しては「タロットの宇宙」の著作以前にも多くの本を出版しているタロット研究家です。

一方で、フィリップ・カモワンの名を知る人はタロット愛好家や収集家などのコアなタロット・ファン以外では日本にそう多くはいないでしょう。
ただし、フィリップ・カモワンはコンヴェル版で有名な天才彫り師二コラ・コンヴェルの子孫であり、秘伝を受け継ぐ正統な伝承者です。

(カモワン家は、18世紀から20世紀まで、タロット発行において世界屈指のマルセイユのカードメーカーでした。今はタロット博物館となったカモワン工房の建物がマルセイユ市内に遺されています。)

タロットに描かれた図柄の内容には驚くような秘伝が隠されており、代々受け継がれ、師から弟子へと伝授されてきています。
僕自身もフィリップ・カモワンからフランスでの講座と日本での講座で秘伝を教わりました。

直に教わったことのある僕から見て、フィリップ・カモワンという人は隠者のような感じです。
SNSのアカウントはありますが、ほぼ発信していません。
ホドロフスキーのようには活発にメディアに出ることはあまりしないようです。

あるとき、ホドロフスキーがフィリップ・カモワンに「本が出版されたら私が世界各地で宣伝してあげる」と言ったそうなのです。
それが実現していないのは、頼んでいないからなのではないかと僕は推測しています。

そういったこともあってか、ネット上では「カモワンタロットの中枢はホドロフスキーが考えた」という誤解が生じていますが、そうではありません。

カードの秘伝自体に恣意的に手を加えたりはせず、ホドロフスキーが所蔵していた数多くの古いマルセイユ版とフィリップ・カモワンが所蔵していた二コラ・コンヴェルの版木をもとに、忠実な復元作業を行い、欠落してしまっているが本来あったはずだと思われる象徴を元に戻し、四色刷り印刷機で失われていた色彩の秘伝を復元したものなのです。

ただ、二人のマルセイユタロットに対する解釈のアプローチにはかなりの相違があるようです。

ホドロフスキーはカモワンタロットを復元する以前にはポール・マルトー版の研究・実践者で、カバラにも相当詳しい人のようです。
一方、マルセイユ・タロットの秘儀の継承者であるフィリップ・カモワンはタロットの本来の形を復元・伝承することを使命とし、フィリップ・カモワンしか知りえないことを知っています。

これらの背景によって、ホドロフスキーのタロット解釈は長年のオリジナル研究が反映されています。
フィリップ・カモワンはマルセイユ・タロットの秘伝をカモワン・メソッドと名づけた動的展開法で活用する方法などを教授しています。
カードをどのように活用するかについては、お互いに独自性を尊重し合うという形になっているようです。

フィリップ・カモワンは2018年に長年の成果をついに書籍化しました。
(その話は、前に書いていますのでそちらをご覧ください。)

ホドロフスキーの「タロットの宇宙」はなかなか難解で、厚みもすごい本です。
タロット愛好者にはそれまでの解釈に深みを増すことにつながるかも知れません。
ただし、上記のように二人のスタンスには異なる部分があるので、カモワン・メソッド初心者には混乱する恐れがあるため、最初の内は読まない方がいいのではというのが僕の考えです。

フィリップ・カモワンの本はフランス語ですが、フルカラーなので、スクールで学んだ人には「ここにあのことが書いてある」と把握できるぐらい、体系的に書かれています。
それにしても英語版、日本語版の出版が待ち遠しいですね。

今年は、世界的にコロナの影響があり、フランスは何度もロックダウンをするなどの事態になっています。
フィリップ・カモワンも今年は講座をしていないようです。

そんな中、ホドロフスキーは、インスタ・ライブでカモワンタロットの公開セッションやセミナーをやっています。
これでカモワンタロットがより広まるといいのですが、インスタ・ライブはスペイン語なので残念ながら僕にはちんぷんかんぷんです。

でもインスタをやっている人は、ホドロフスキーをフォローすれば見ることができますよ。
スペイン語が分かる人が身近にいるといいですけど。

では。

わくわくを生きていく☆『審判』

こんにちは☆

アントレへ、ようこそ。

現在の地球がさしかかっていると言われている<重要な岐路とその通過のための手放し>について、タロットと絡めて理解を試みるとどうなるか。それを今年の春頃から書いてきました。

今回は『審判』のカードを使って「本当にしたいことをわくわくしながらやって生きていく」を中心に見ていきます。

これまでの「他者をすべて許す」「自分を許す」「過去からの脱皮」「ハイヤーマインドに引っ張ってもらう」に取り組んできている人が進む次のステップです。

まずは「他者をすべて許す」「自分を許す」を出来るだけやっていることがベースになります。

他者には他者の背後の事情があります。他者が自分に対してどんな変な対応をしたとしても、自分には思いもよらないような背景や心的体験を相手がもっているかも知れません。

自分は自分、相手は相手、それぞれがそれぞれの理由や考えをもっています。

他者に同意して欲しかったり、OKをもらいたがったり、屈服させたくなったりするときは、自分の中心軸が外にずれてしまっています。

親の養育下や学校などの教育下での同意や合格をもらう「子ども視点」から、自分の人生のオリジナルの答えを見出す「大人視点」への移行が必要になります。

日本の「和を大切にする精神」が自分のオリジナルの答えを阻むようであれば、そこから一歩踏み出すことも必要でしょう。

何にしろ、他の誰かが責任をもってくれるわけではないのですから。自分は自分の責任。他者は他者なのです。

自分が安心するために他者を縛ることも、他者を安心させるために自分を縛ることも必要ありません。

他者が他者のままであることを許し、自分が自分のままであることを許していきます。

とは言え、「他者をすべて許す」「自分を許す」が一番大変です。それらを一歩ずつ進めていければ、拘り・囚われから自由になり、「過去からの脱皮」は自ずと進みはじめます。

なかなか手放せないものについては、もう一つ上の視点から物事を見通すことで新しい理解に進めます。

どうしても許せないと思うことがあったら、そのことについて「もしそれがなかったら今の自分ではない」ことに気づくでしょう。

その経験があることによって、大切なことを決断したり、痛みの分かる人間性が養えていたり、必要な物事と出会ったりしています。

許せなかったことが苦しいけれど必要な鍵となる経験だったと理解し直せると、それに囚われることはなくなります。「過去からの脱皮」が起きていきます。

そして調和的な地球のある分岐点の向こうの未来へとハイヤーマインドに引っ張ってもらうよう意図します。

ハイヤーマインドのプランニングのお知らせをわたしたちは「これがしたい」という感情で受け取り、わくわくして実行していきますが、ここで効いてくるのが「他者をすべて許す」「自分を許す」「過去からの脱皮」のこれまでのステップです。

「したい」と感じたことをしていく選択が、上記のステップで縛りを外したことによってそれが可能になっています。

その様子が『審判』のカードに描かれています。

対照として『法王』のカードも見てみましょう。

『法王』の下に『審判』の空色の人と同じような渦巻頭の人物がいます。

『法王』の下の弟子は、法王より小さく(子ども)、手を上げたり下げたりしながら、親にお伺いを立てている子どものような様子です。その嘆願を聞き入れるかは法王にかかっています。

それに対し『審判』の空色の人は両側の他の2人と同じ大きさになっています。

『法王』の人間関係には上下があるようですが、『審判』の人間関係には上下はなく、お互いに尊重するかのように、それぞれの手は合わせられています。

「子ども視点」の嘆願の精神状態ではなく、「大人視点」の精神的な自立を果たしていることによって、その人の選択が尊重されています。

それが頭の渦巻にも現れているようです。『法王』の弟子の渦巻は内側の向きと外側の向きが逆です。内と外が相反しているようです。

一方で『審判』の空色の人の渦巻は内側の向きと外側の向きが一致しています。

ハイヤーマインドの感情を使ったお知らせによって、空色の人が眼差しを高くしているのに対し、周りの人たちも静かに祈っています。内と外の思いが一致しています。

ハイヤーマインドのお知らせがはっきりと聞こえるのは、空色の人がそれまでのステップで不要な内外の雑音を取り除いてきたからなのです。

集中的に手放す課題が現れて、自分をグレードアップできる貴重なタイミングです。

なかなか大変ではありますが、この変容のチャンスを大切に進んでいきましょう。

ソフィア

タロットとハイヤーセルフ

episode 4

前々回にカモワンタロットの魅力のひとつとして、
「カモワンタロットは、相談者がタロットを引く」というお話をしました。

今回お話しするカモワンタロットの魅力は、
「タロットはハイヤーセルフからのメッセージを伝える」です。

一般的なタロット占いでは、占い師がカードを引き、ご託宣のように占いの内容を相談者に伝えます。

カモワンタロットの場合は、相談者が引いたカードの展開に映し出された心の情景を、タロットリーダーが翻訳するようにリーディングするのです。
そこに展開された内容というのはハイヤーセルフのメッセージなのです。
ということをepisode2でお話ししました。

タロットは、ハイヤーセルフにつながって、メッセージを受け取ることができるツールなのです。

一般にタロットは占いのツールとして利用されていますが、重要なのはハイヤーセルフとつながるということなのです。
その人にとっての最善の選択を知ることに使うだけでなく、価値観、人生観、世界観などの考え方を知り、成長していくための智慧や心の栄養、エネルギーを得るために使える高度なツールだということなのです。

なので、リーディングを学ぶ過程としては、自分の成長のためにタロットの智慧を習得することが先で、その後、自分が取得した智慧を他者のために使うのが望ましいと僕は考えています。

占い師は自分のことを占うのが苦手であるということをよく聞きます。

僕自身も少し前まではそうでした。
でも、実は自分のためにリーディングすることは一番多く、仕事や何かの行動をするとき、他人に対する想いを整理するときなど、いろんな選択や考え方を確かめるために使っています。

客観的になることが難しいため、どうしても自分の顕在意識の範囲でしかリーディングできないということは多いです。
しかし、時々ではありますが、なにかひらめきのような形で気づきを得ることがあります。
それがハイヤーセルフとのつながりが効果的に現れた状態です。

タロットを展開した時点でハイヤーセルフとはつながっていて、カードの展開にはハイヤーセルフのメッセージが込められています。
リーディング方法を知らない段階では、まるで外国語の映画がそこに流れていて、メッセージは伝えられているのだけど、何を言っているのかがわからないという状態なのです。

リーディングを学ぶことは、タロットの言葉を学ぶことであり、リーディングすることは翻訳作業のようなものです

でも、ただ翻訳するだけでは、メッセージの真意がわからないことがあります。
そんな時、慎重に静かに耳をを傾けてみると、言葉遣いや物のたとえ、ことわざのようなことがそこにあることに気づき始めます。

そして、それらのことを分かったとき、映画のテーマを理解して、深く感動するように、真にメッセージを理解できるのです。

この流れで、第三の耳が働いている状態です。

タロットの展開のときには自分も相談者もそれぞれのハイヤーセルフとつながるので、リーディングを習得すれば、他の人へのハイヤーセルフからのメッセージを一緒に読んでいくことが可能になります。

ここがタロットのすごいところなのです。