タロットのシンボルと『美女と野獣』(その1)

こんにちは。タロットの世界にようこそ。

タロットではシンボル(象徴)を読むことが大切ですが、欧米の芸術ではシンボルがたくさん使われていることがあります。

その中でも映画にシンボルを見ていくのはなかなか面白いですよ。

今回はフランス・ドイツ合作のファンタジー映画『美女と野獣(La Belle et la Bete)』(2014年)です。

美女と野獣(字幕版)

ベル役のレア・セドゥがみずみずしいバラのようでした。

背景にはCGが多用されていて、帆船、お城、森、あふれるバラと光の粒と、とてもきれいでした。

野獣の毛並みもCGでフサフサ、衣装なども時代がかっていていい感じでした。

野獣の過去など、物語に深みを与えるための新たなストーリーが追加されているようです。

あらすじは・・・

<お城に迷い込む>
息子と娘を3人ずつ持つ元々大商人だった男が町からの帰り道で森に迷い込みます。
森の奥の廃墟のようなお城にたどり着き、一晩の宿を頼もうと声をかけますが、そこにはひと気はありません。
しかし家族がほしがっていた品物や宝物があり、キャンドルが赤々と灯され、食事も用意されていました。
男は子どもたちの望む品物をもち、そこを後にしようとしますが、末娘ベルが欲しがっていたバラを庭で見かけつい摘んでしまいます。
そこへ城主である野獣が現われ、用意されたもてなし以上にバラを摘んだことを責め、代わりに命を奪うと言い渡しますが、家族に別れを告げるために1日だけの猶予を男に与えます。

<ベルがお城に行く>
男が家族のもとに帰ると、ベルは愛する父親の身代わりになろうとそっと家を出て野獣のもとに赴きます。
野獣は命を奪うことはせず、毎日、晩餐を共にすることをベルに申し渡します。
野獣はベルの美しさや気丈さ、やさしさに強く心を惹かれますが、素直に気持ちを伝えることはできず、ベルは野獣の粗野な求愛をはねつけます。

<夢でヴィジョンを見る>
ベルは夢のビジョンでお城の過去の世界に誘い込まれます。
それを見て、妻を自らの弓矢で失ってしまった苦悩や野獣にかけられた森の神の呪いの秘密を知り、ベルは野獣を段々と理解するようになりました。
ある日、ベルはダンスをすることと引き換えに自宅に一度帰宅することを持ち出します。
野獣はそれに応じ、過去の幸福だった日々を思い起こさせるような華やかなひとときをベルと過ごします。
ベルが自宅に帰ると、父親は病に伏していました。

<野獣が弓矢で撃たれる>
父親の世話をしている間に、盗賊たちがベルの兄たちを脅して案内させ、財宝を奪おうとお城に攻め寄せます。
タロット占いによって盗賊の身を気にしている恋人は早く城を後にしようと言いますが、盗賊はそれを聞かず、恋人の手から取った弓矢を、追ってきた野獣に撃ちました。
略奪の限りを尽くして野獣を撃ったことで、盗賊たちは満足して城を去ろうとします。

<森の神の力>
しかし自分の森で行われた無情な殺戮を森の神は許しはせず、盗賊たちは石の巨人や取り巻く樹のつるによってことごとく打ち滅ぼされました。
森の誘いによって瀕死の野獣のところにたどり着くことができたベルは、彼を生命の泉に運び、いつの間にか愛すようになっていた野獣のために涙をこぼしながら胸の弓矢を引き抜ます。
その愛によって森の神は微笑み、かけられていた呪いが解け、野獣はお城の城主だった王子の姿に戻ることができたのでした。
 
 
 
気になったことがありまして、それというは表現がヨーロッパの特にフランスの文化や象徴体系に委ねられていて、人によっては分かりにくいかもという部分です。

わたしはマルセイユ版カモワン・タロットを勉強しているので、フランスの象徴が多少なりとも理解できて、そのため充分楽しめました。

すてきな作品が楽しめないともったいないですね。
 
 
例えば、後半の大切な伏線となるようなものとして、序盤のあたりで、盗賊が恋人にタロット占いをしてもらう場面が出て来ていました。

ヨーロッパ圏であれば、ほとんどの人がある程度タロットのことを知っています。

それで身動きしていない様子の『吊るし』が出たために、恋人ははっきりと口には出さないまでも盗賊の身を心配していると推測できます。

それが、日本では、興味をもつ一部の人しか推測できないかもという部分があるのです。
 
 
 
また、<お城に迷い込む>の場面では、野獣のお城のドアの上には「ガーゴイル」と呼ばれる番人的な魔除けの石像がありました。


(ウィキペディアからお借りしました)

それを番人、魔除けの意味と知らなければ、悪魔の建物かなと思うかも知れません。

ヨーロッパの建物では、ガーゴイルが雨どいなどにも取り付けられ、「がらがら~」と、まるでうがいしているようなユーモラスな姿をしていたりします。

日本で言えば、なまはげや天狗のように少し恐そうだけれど、建物の内側に住んでいる者たちにとっては、外的から守ってくれる意味をもつ頼もしい存在でもあるのです。

ひとつひとつの象徴は大切な意味をもっています。

次のブログでは、タロット・カードと絡めていくつかの象徴を取り上げていきましょう。

この2014年版の『美女と野獣』を見るときにたどり着いた人には「へー」と楽しんでもらえるかも知れません。
 
 
 
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『世界』は「中心」で至福におどる

こんにちは。カモワン福岡のブログへ、ようこそ。

タロット・カードの大アルカナは1の『手品師』から始まり、最も大きい数である21をもつ『世界』でピークを迎えます。

21という数自体も秘儀の世界では聖数だとされています。
 

 
『世界』では、主人公は片足を上げて踊り、その周りでは天使の輪のある存在たちが見守り、飾りのついた楕円形のリースが主人公への祝福を表わしています。

ここには、どのように生きると自分の生命を発揮して喜びと共に生きられるかのヒントがいっぱい散りばめられています。
 
 
 
『悪魔』というカードには「プリンス・オブ・アース(地上の大公)」という別称があります。

地上に君臨して他者を隷属させる様子を表わし、お金などの現世的なエネルギーも象徴するカードです。
 
 
 
お金という宗教がはびこっているとも言われる現代ですが、その宗教はよい選択かという疑問への答えは『悪魔』と『世界』の比較で見えてきます。

その比較へのヒントに、世界各地の神話や神話の図像に造詣の深いジョーゼフ・キャンベルさんの言葉を対話集『神話の力』からお借りします。

・・・あらゆる生命体は、ある潜在能力を持っており、生の使命はその潜在能力を生きることだ、とは言えるかもしれません。そのためにはどうすればいいか。私の答えは、「あなたの至福を追及しなさい」です。あなたの無上の喜びに従うこと。あなたのなかには、自分が中心にいることを知る能力があります。自分が正しい軌道に乗っているか、そこからはずれているかを知る能力が。もしあなたが金もうけのために軌道からはずれてしまうと、あなたは自分の生を失っているわけです。あなたが中心にとどまっている場合、お金はまるで稼げないとしても、自分の至福を得ているのです。

『世界』は最高の21という数をもっているところから、可能性・潜在能力の実現の度合いは最高状態にあります。

『悪魔』では、下の人たちは手を後ろに回し、首にロープもかかっていて身動きがとれていない状態のようです。

(この挿絵では顔の表情を描いていませんが、カードでは不本意さをごまかすような苦笑いで描かれています。)

『世界』は手にエリクシルなどのアイテムをもち、自由に踊っています。

この様子から、至福、無上の喜びの状態にあるのは一目瞭然です。
 
 
 
『世界』の主人公は楕円の「中心」にいます。

一方で、地上的な勝利があるはずの『悪魔』のカードには楕円が下半分しか形成されておらず、君臨している悪魔さえも「中心」にいられません。

下の人たちは縛られており、他者の支配下にいるので、自分にとっての正しい軌道にいられる状態ではありません。

『悪魔』では、誰も至福を得てはいないようです。
 
 
 
自分の人生を生きていて、自分を自分のワールドの「中心」においているか。

心を静めれば、それを感知できる能力を人はもっています。

至福を自分にもたらすことを目的にした人生の歩み方・選び方をタロットの『世界』とキャンベルさんは勧めてくれています。
 
 
 
 
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オン・マニ・パドメ・フムとカップルたち

こんにちは、カモワン福岡のブログへ、ようこそ。

「オン・マニ・パドメ・フム」

この言葉を聞いたことがありますか。

チベット語の真言で、六字真言と呼ばれるマントラです。

チベット仏教で用いられるマニ車の中にはこの言葉が書かれているそうです。

マントラの最初と最後の「オン」「フム」は「あ・うん」「オーム」と同じで、「マニ」は「宝珠」を表わし、「パドメ」は「蓮華」を表わします。

「あ、蓮華の中の宝石よ、うん」という意味です。

泥の中から生じて、開花し、美しさを輝かせる様子に人間の神性の開花をなぞらえて祈りにしてあるのでしょう。
 
 
 
「マニ」は男性原理を表わし、「パドメ」は女性原理を表わすという見方があるようで、その二つの結合はヨニリンガムという象徴になります。

チャクラをシンボルで表わすときに、ハートチャクラはヨニリンガムを用いて表現されます。

男女の結合のシンボルは新しい誕生を示唆します。

それをハート・レベルの象徴として描くことは、獣性の生き方の人間から、思いやりをもつことのできる人間性の生き方の人間が誕生することを象徴しているのです。
 
 
 
錬金術でも、男女の結合の象徴は使われています。

王と女王という象徴で描かれていますが、多くの場合、天体のカップルである太陽と月が一緒に描かれています。

それによって単なる結合ではなく、錬金術的象徴であることを表現しています。
 
 
 
タロットにおいても、王と女王らしきカードが隣同士に並んでいます。

3の『女帝』と4の『皇帝』です。

この2枚をよく見ると彼らの一体化が分かってきます。

2人の手の位置をじっくり眺めてみてください。

重ね合わせて見てみると、『女帝』の王尺の手元には、『皇帝』のベルトに添えた手が寄り添います。

『皇帝』の王尺の手元には、『女帝』の盾を抱えた手が寄り添います。

すっかり一致するのです。

『女帝』には生み出す力、創造性があり、『皇帝』は守護する力や具現性があります。

どちらかが不具合で逆向きになっていると、手は寄り添わなくなり、結果、新たなものは生じません。

他の『女法王』『法王』カップルや『正義』『隠者』カップルなどと違い、この2人の機能は「手が重なるかのように」がっちり協力し合い、互いにサポートし合ってこそ、完全な力を発揮するのです。
 
 
 
知恵を組み込まれた象徴はタロットやアストロロジー、神話など、様々なものがあります。

世界中の様々な秘教的な伝統によってその知恵は伝えられ続けています(^-^)

ソフィア

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