さそり座はオリオンを追う☆12星座の神話
こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)
一年でも一番寒くなる時期になりましたね。
それとともに、冬は一番、夜空の星が美しく見える時期です。
ぜひ、夜空の星に目を、意識を向けて見て下さい☆
さて、今回は、10月から試みて来た黄道十二宮の固定宮の神話をタロット的に読むシリーズのラスト、四聖獣のワシです。
「ワシは黄道十二宮にないよ」という声が聞こえてきそうですね。
確かにそうなのですが、
カモワン・タロットの制作者であるフィリップ・カモワン先生の著作『タロットの秘密のコード(LES CODES SECRETS DU TAROT)』によると、
現代ではさそり座と見立てられている星座は、過去には(特にエジプトで)わし座として見立てられていたそうです。
カモワン先生は著作の中では「わし・さそり座」と呼んでいるということです。
ということで、四聖獣のワシは、黄道十二宮に当てはめると水要素の固定宮のさそり座とご理解ください。
なので、このワシをさそり座として、神話を追っていくところから始めます。
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さそり座と所縁のある星座にオリオン座があります。
この2つの星座は天で真反対の場所に位置するのですが、真反対の位置であるが故にギリシア神話の中で共に語られています。
さそり座単独の神話ではありませんが、共に語られているからこそ分かる面白さとして見ていきましょう。
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さそり座とオリオン座の神話
オリオンの誕生
かつてオリュンポスの神々は人間に身をやつして地上を旅することがありました。
あるとき、男やもめの老人ヒュリエウスがゼウスたち一行を温かくもてなしました。
その中でヒュリエウスは客人たちに孤独と、それ故に子どもがほしい気持ちとを告白しました。
神々はもてなしの礼として、雄牛の皮を地面に埋めるなどの魔法的手段でヒュリエウスに子どもをもたらしました。
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荒々しい狩人オリオン
その子どもは長じて、凄腕の狩人になりました。
彼の名はオリオン。
「オリオン座」(版画)ヨハン・バイエルの『ウラノメトリア』 (アメリカ海軍天文台図書館)
粗野で好色なところがありますが、人並外れた巨大な体格の美青年です。
あるとき、オリオンはキオス島の王オイノピオンの娘メロペーに夢中になり、結婚を申し入れました。
メロペーとオイノピオンは荒々しいオリオンを好ましく思いませんでした。
それで死の恐れさえある困難な条件を出しました。
「人や家畜を襲うすべてのライオンのキオス島からの一掃」という難題です。
しかし狩りの名手であるオリオンは難なくそれをやり遂げました。
思惑のはずれたオイノピオンは約束を反故にしてしまいました。
オイノピオンに怒ったオリオンは酒に酔った勢いでメロペーを力づくで犯しました。
それに激怒したオイノピオンは父である酒神ディオニュソスの力を借りて、オリオンを泥酔させ、両眼を失明させて海岸に置き去りにしました。
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陽光を目指す盲目のオリオン
盲目の暗闇の中で身動きできず、じっとしていたオリオンに神託がもたらされました。
それによると、東に行き、太陽神であり太陽であるヘリオスが、海神であり大洋であるオケアノスから初めて昇る時の陽光を目に受ければ再び見えるようになるということでした。
目の見えないオリオンは、鍛冶神ヘパイストスの鍛冶場から鳴り響く単眼の巨人キュクロプスたちのハンマーの音を頼りに東に行きました。
オリオンはレムノス島のヘパイストスの鍛冶場でケダリオンという見習いに出会いました。
体の大きいオリオンは、ケダリオンを肩に乗せて道案内をさせ、オケアノスまでたどり着きました。
「太陽を目指し走るオーリーオーン」(ニコラ・プッサン:メトロポリタン美術館所蔵)
太陽が昇るその前に、太陽神ヘリオスの妹である曙の女神エオスがオリオンを見て恋に落ち、ヘリオスが陽光でその目を癒しました。
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大さそりとオリオンの死
オリオンと女神エオスは恋仲になり、エオスはオリオンをオルテュギア島に連れて行きました。
オルテュギアは女神レトが女神アルテミスを産んだ島でした。
アルテミスは狩猟と貞潔の女神、また月の女神でもあります。
凄腕の狩人としての自負のあるオリオンは「自分に狩れない動物などいない」と豪語したとも、アルテミスに円盤投げを挑んだとも言われています。
その身のほど知らずな言動が、アルテミス、もしくは大地の女神ガイアの怒りに触れたのか、毒をもった大サソリが神によって放たれました。
大サソリの尾の針で刺され、オリオンは死んだと言われています。
「さそり座」ヨハネス・ヘヴェリウスの『ウラノグラフィア』
別の説では、アルテミスの双子の弟である太陽神アポロンが、オリオンとアルテミスが狩猟を介して親しくなるのを快く思わず、サソリを送ったとも言われています。
サソリは忠実な仕事の遂行を称えられ、天に上げられました。
今でもオリオンは大サソリが追いかけて来るのを恐れていて、夜空にさそり座が現れる季節になると、オリオン座は地平線の下へと逃げ込みます。
大サソリが地平線の下に身を沈める季節になると、オリオンは夜空へと昇って来るのです。
「ゼウスの意志によるオリオンの星座への変容」(2018年にポンペイのオリオンの家で発見されたモザイク画:ソフィー・ヘイ博士による撮影)
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これら以外にも、オリオンの死の原因については多様なバージョンが伝えられていますが、今回はタロットの「わし・さそり座」的に神話を読むのが目的ですので、サソリ原因説に絞りました。
オリオンの物語の所々に、興味深いエッセンスが垣間見えているような気がします。
次回はこの神話からエッセンスを抜き出し、タロットの象徴を通して眺めていきたいと思います。
次回もぜひ読んでください(^-^)
ソフィア
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