あなたはどのドアをノックする?☆『恋人』
こんにちは。タロットの世界へ、ようこそ。
ここのところ暖かいと思ったら、また急に寒くなってちょっと風邪気味になってしまいました。
まだまだ寒いこの季節、気をつけなければなりませんね。
さて、今回はこちらの『恋人』です。
フランス語の名称を見ると、中世まではUとVは区別されていなかったため、綴りが『LAMOVREVX』となっています。
現在の綴りにして、アポストロフィを入れると『L’AMOUREUX』となります。
このカードの場面は「愛」についてのものです。
愛を司る神クピドと思われる子ども姿の天使が上空に現れて愛の矢を放とうと構えています。
日本語の「恋人」は恋愛を対象にした言葉ですが、フランス語の「l’amoureux」の意味は「その愛している人」「その愛好者」など、その対象となる愛はもっと広義であり、さまざまなレベルの「愛」を含みます。
このカードの状況は、真ん中の男性が左右のどちらかの女性をまさに選ぼうとしてところ。
ですから、このカードは「選択」の場面とも言えるのです。
上空の天使は、真ん中の男性にとって選択の助けとなるような直感を弓矢でピュンと飛ばします。
フランスでの言い回しに、「よいドアをノックする」「悪いドアをノックする」というものがあります。
2つのドアを一度に訪ねることはできないので、これは選択についての言い回しとも言えます。
よいドアは「適した相手(適した選択肢)」、悪いドアは「間違った相手(間違った選択肢)」です。
元型としては、悪魔の翼のような赤いローブの女性は地面を指差していて、現世的な選択肢で誘惑しています。
天使の翼のような青いローブの女性は胸に触れていて、ハートに忠実な選択肢へと誘っています。
タロットにも用いられている色彩の象徴体系では、赤は力を象徴する色で、青は愛を象徴する色です。
現世的選択肢を選ぶか、愛による選択肢を選ぶか。
選んだ選択肢によって、それなりの結果が出てきます。
悪魔の選択肢には何か一時的なうま味があるでしょう。
「居心地悪いし、長く付き合うつもりはない。けれども。。。」
打算でそういう答えに行き着くこともあるでしょう。
その人は赤いローブの女性のドアの前にいるようです。
青いローブの女性の選択肢にはうま味は何もないかも知れません。
心の奥がこちらのドアの方を示すのです。
計算高いマインドは別のドアを指差しても、ハートはこちらのドアの方を向きたがるのです。
内なる心の声に素直に従った人は青いローブの女性のドアの前にいます。
クピドがどんなに直感を与えていたとしても、選択はこの真ん中の本人次第。
もしその人が悪魔の選択肢を選んだとしても、その経験に意味はあります。
間違った選択をした経験です。
「これじゃなかった。一時の気の迷いだった」と思う経験をすることによって、次回の選択のためのデータの蓄積ができます。
同じことを繰り返さないための学習ができるのです。
選択をずるずると先伸ばしにすると失敗さえも経験できないので、「選択をしないことが一番の失敗だ」と言うのです。
間違った選択にも意味があるからと言って「居心地悪いけど。。。」の選択ばかりを続けるのはよくありません。
居心地の悪さに耐えることを自分に強い続けると、心の琴線が麻痺して、ダメになってしまうこともあるからです。
頻繁にこのカードが逆向きに出る人は「自分を大切にできていませんよ」というメッセージである場合もあります。
やはりこれは「愛」のカードなのです。
「自分のハートに忠実であることの大切さ」「自分を愛することの大切さ」をこのカードは教えてくれます。
カモワン・タロットを学びませんか?