『世界』は「中心」で至福におどる
こんにちは。カモワン福岡のブログへ、ようこそ。
タロット・カードの大アルカナは1の『手品師』から始まり、最も大きい数である21をもつ『世界』でピークを迎えます。
21という数自体も秘儀の世界では聖数だとされています。
『世界』では、主人公は片足を上げて踊り、その周りでは天使の輪のある存在たちが見守り、飾りのついた楕円形のリースが主人公への祝福を表わしています。
ここには、どのように生きると自分の生命を発揮して喜びと共に生きられるかのヒントがいっぱい散りばめられています。
『悪魔』というカードには「プリンス・オブ・アース(地上の大公)」という別称があります。
地上に君臨して他者を隷属させる様子を表わし、お金などの現世的なエネルギーも象徴するカードです。
お金という宗教がはびこっているとも言われる現代ですが、その宗教はよい選択かという疑問への答えは『悪魔』と『世界』の比較で見えてきます。
その比較へのヒントに、世界各地の神話や神話の図像に造詣の深いジョーゼフ・キャンベルさんの言葉を対話集『神話の力』からお借りします。
・・・あらゆる生命体は、ある潜在能力を持っており、生の使命はその潜在能力を生きることだ、とは言えるかもしれません。そのためにはどうすればいいか。私の答えは、「あなたの至福を追及しなさい」です。あなたの無上の喜びに従うこと。あなたのなかには、自分が中心にいることを知る能力があります。自分が正しい軌道に乗っているか、そこからはずれているかを知る能力が。もしあなたが金もうけのために軌道からはずれてしまうと、あなたは自分の生を失っているわけです。あなたが中心にとどまっている場合、お金はまるで稼げないとしても、自分の至福を得ているのです。
『世界』は最高の21という数をもっているところから、可能性・潜在能力の実現の度合いは最高状態にあります。
『悪魔』では、下の人たちは手を後ろに回し、首にロープもかかっていて身動きがとれていない状態のようです。
(この挿絵では顔の表情を描いていませんが、カードでは不本意さをごまかすような苦笑いで描かれています。)
『世界』は手にエリクシルなどのアイテムをもち、自由に踊っています。
この様子から、至福、無上の喜びの状態にあるのは一目瞭然です。
『世界』の主人公は楕円の「中心」にいます。
一方で、地上的な勝利があるはずの『悪魔』のカードには楕円が下半分しか形成されておらず、君臨している悪魔さえも「中心」にいられません。
下の人たちは縛られており、他者の支配下にいるので、自分にとっての正しい軌道にいられる状態ではありません。
『悪魔』では、誰も至福を得てはいないようです。
自分の人生を生きていて、自分を自分のワールドの「中心」においているか。
心を静めれば、それを感知できる能力を人はもっています。
至福を自分にもたらすことを目的にした人生の歩み方・選び方をタロットの『世界』とキャンベルさんは勧めてくれています。
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