天へのハネをもつわたしたち☆『神の家』
こんにちは、タロット・ワールドにようこそ。
今日のカードはこの『神の家』です。
『神の家』は石造りらしき建物に空から冠が降りてきている様子を描いたカードです。
左上には冠がありますが、右上には多様な色がひとまとまりになった鳥の尾羽のように見えるものがあります。
カラフルな玉が空間に飛び散っています。
とても興味深い光景なので、タロットを勉強し始めた人が解明したいと思うカードの1枚なのではないでしょうか。
他にも不可思議なものがいろいろありますが、今回取り上げるのは登場人物たちの胴体がまん丸だということです。
(この挿絵ではあまり丸く描けていませんので、フィリップ・カモワン・スクールのHPでご覧ください。)
カモワンとホドロフスキーが復元したカード
大アルカナのカードを見渡しても、小アルカナのカードを見渡しても、このようにまん丸な胴体で描かれている人物は他にいません。
タロットは象徴体系なので、多様な意味合いをもちます。
その中のひとつの意味合いとして、この人たちの胴体は甲虫の胴体として描かれているようなのです。
甲虫とは背中に甲羅のように堅い背板があるカブトムシやクワガタ、コガネムシなどの種類です。
背板は鞘翅(さやばね)と呼ばれているようですが、それはその硬い外側のハネがさやのように、内側の薄い飛翔用のハネを格納しているからです。
タロット・マンダラの中でもここに意味があります。
『神の家』は16という数をもっていますが、その前の15は『悪魔』のカードです。
『神の家』にたどりついた人たちの背中側には『悪魔』のカードがあることになります。
だからこそ硬い背板が守っているのだし、『神の家』に到着した人たちだからこそ、『悪魔』のカードに対する防御力をわが身に備えているとも言えるのです。
そして『神の家』の前の階段を昇り、さらに建物の中を一段ずつ上昇した後には、天なる楽園に向かって高く飛翔することになります。
そのためのハネをまん丸な胴体の鞘の中にすでに備え持っているのです。
人間には、『神の家』まで到達し、さらにその先の最終目的地まで進むプランがあると言われています。
だとしたら、『悪魔』に欲得や罪悪感などで騙されずにそこを通過するための防御力を養うことが大切です。
硬い鞘翅を身に備えた頃には、天に飛翔するためのしなやかなハネがわたしたちに生えているということになります。
タロットの智慧は興味深いですね☆
◇◇◇ アントレ ◇◇◇