聖クリストファーの旅とタロットの旅
こんにちは(^-^)
今年初めての更新です。
伝説や民話には秘伝が隠されているものがよくあります。
そのひとつなのではと思っているのが、
聖クリストファーのお話です。
ソフィアの別ブログの方ですでにご覧の方も
あるかも知れませんが、
こちらではもう少し詳しく書いてみましょう。
聖クリストファーは3世紀頃の伝説的な聖人で旅人の守護者。
民話を省略版で以下に載せますと――
ゴルム(後の聖クリストファー)という巨人が農場で父に仕えていた。
彼にとって、父は「もっとも偉大な主」だったから。
ある日、父が王に税を払っているとを知った。
ゴルムはより偉大な存在である王に仕えようと旅に出た。
王に会ってみると、
王は「自分にとっては悪魔が恐ろしい」と言う。
今度は悪魔に仕えようと思って旅に出た。
悪魔がゴルムの前に現れ、一緒に町を破壊するよう命じた。
しかし悪魔は「教会だけは壊してはいけない」
「そこは王の中の王が住む場所だからだ」と言う。
そこでゴルムは悪魔と別れ、王の中の王を探した。
川辺で彼は「もうすぐ王の中の王がこの川を渡るだろう」と聞いた。
ゴルムは川辺に住み着いて、
人々が川を渡るのを手伝いながらその人を待った。
数十年たった冬の日、小さな男の子が現れて川を渡りたいと言った。
ゴルムは快く引き受けた。
川を渡り終えると男の子は姿を変え、イエス・キリストとなった。
ゴルムはついに王の中の王に出会い、感激した。
イエスは
「今まで(ゴルムが)川渡した人々すべてがイエス・キリストである」
といい、彼に「クリストファー」と名乗るようにいった。
クリストファーとは「キリストを背負う者」という意味です。
聖クリストファーの旅のお話、面白いですね。
聖クリストファーのお話が
タロットの代表的なカードである『愚者(LE・MAT)』と
とても重なる部分があるんです。
『愚者』もまた旅をする様子であることは一目瞭然です。
その後ろに犬がいます。
聖クリストファーは犬の頭の姿で描かれることがあるそうです。
『愚者』は『隠者』のカードとリンクするのですが、
カトリック教会版の聖クリストファーの伝説では、
隠者が川渡しを勧めたことになっているようです。
タロット全体の流れとの関連で、面白いことを見つけました。
5の倍数である5・10・15・20のカードにおいてです。
5は父を表す『法王(LE・PAPE)』です。
元の名前を見ると明確ですね。
10の『運命の輪(L’A・ROVE・DE・FORTVNE)』の上には
王冠をかぶった存在が描かれています。
15は『悪魔(LE・DIABLE)』のカード。
20の『審判(LE・IUGEMENT)』には
聖家族の図柄が描かれています。
「聖家族」だけで、
イエスに結びつけることもできそうですが、
せっかくですから「審判」ということからも。
ヨハネ福音書によると
最後の審判のときにはすべての人が復活の対象で、
善行をした人は生命をもって復活し、
悪行をした人は裁きを受けるために
復活するとされています。
また、聖書に書かれた復活のシーンは二つあり、
その一つはイエス・キリスト自身のもの、
もう一つはイエスがラザロを復活させたというものです。
つまり復活のシーンにはキリストは
必ずいたわけですね。
タロットの5・10・15・20のカードには
聖クリストファーが出合った存在が順番に
描かれているわけです。
何とも偶然とは言いがたい感じがしますが、
どう思いますか(^-^)
ちなみにタロットは象徴体系で描かれており、
「王」というのも単なる「王」ではなく、
象徴としての意味があります。
隠された智慧=秘伝のひとつですね。
聖クリストファーは「伝説の聖人」ということなので、
もしかするとこの民話も秘伝を伝えるために
作られたものなのかもと想像しています。
タロットも民話も興味深く、面白いものです。