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2024-06-21

フランス映画で見る「職人」の世界☆ヨーロッパの背景

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

日本全国、続々と梅雨入りしているようですね。

わたしソフィアはすがすがしい緑の自然の中が好きなのでちょっと残念です。

野外での楽しみは当分お預けです。

代わりに屋内での楽しみがいろいろありますね。

わたしが屋内で楽しむものとしてはタロットがありますが、ソーイングと刺繍もほんの少し嗜みます。

マルセイユ・タロットを勉強し始めると、徒弟制度や親方制度と呼ばれる制度について聞くことがあります。

中世ヨーロッパのギルドにおいて採用されていた職人教育や指導者認定のための職業訓練制度です。

徒弟制度では、基本的に徒弟は親方の下に住み込み、一定期間指導を受けた後に一人前の職人になります。

職人としてさらに熟達すると、親方組合に作品を提出して審査されるなどの試練を経て、認められれば親方の仲間入りとなります。

親方は技能だけではなく、指導者としての人間性も求められたそうです。

タロットの中で、人間の成長を職人の成長に喩えているので、職人の世界について知ることでカードの理解の助けになります。

その手掛かりとして、職人の世界をフランス映画で覗いてみるのはどうでしょうか。

さまざまな職人の世界がありますが、自分の好みの方向性から、わたしがご紹介できる映画はソーイングと刺繍のものです(^~^ゞ

まずは、2004年のフランス映画『クレールの刺繍』です。

刺繍が好きな17歳のクレールと刺繍職人のメリキアン夫人が、不本意な妊娠と息子の事故死というアクシデントをきっかけにして共に働くようになり、ぶつかり合いながらも、かけがえのない関係性を紡いでいく様子を描いています。

メリキアン夫人は以前、有名なルサージュ氏の刺繍工房で働いていて、ルサージュ氏が親方、メリキアン夫人はそこから独立した職人です。

クレールは初めて刺繍を仕事にするので、いわば徒弟としてメリキアン夫人の下ではたらきます。

お互いの心が通い合うようになったとき、クレールは自分が創作した刺繡入りショールをメリキアン夫人に進呈します。

それはクレールの刺繍の能力とメリキアン夫人に対する敬意を同時に表わすものでした。

『クレールの刺繍』は全編が映像も美しく詩情あふれたもので、とてもお勧めです。

食事、パジャマ、性、生と死などの要素が変化しながら繰り返されていて、作りが詩や音楽を思わせます。

美しい刺繍も出て来ますし、使われている音楽も秀逸です。

『クレールの刺繍』に出会うことができたらぜひ見てみてください。

2021年のフランス映画『オートクチュール』はディオールの工房を舞台としています。

工房の責任者エステルは職人としての衰えを感じ、引退を考え始めていました。

やることが見つからず、エネルギーを持て余している移民の少女ジャドは、友だちと共にひったくりをはたらいていてエステルに出会います。

エステルは、ジャドが裁縫や刺繍の才能に恵まれた手をしていることを見抜き、見習いとして工房に導き入れます。

はねっかえりのジャドはお針子たちの中で対立や調和を体験しながらも、少しずつオートクチュールの世界のすばらしさを知っていきます。

工房に親方らしき人物が現れたときの職人たちの背筋が伸びる様子はその世界での親方への敬意や畏怖を感じさせます。

『クレールの刺繍』では職人と徒弟の2人の小さな工房ですが、『オートクチュール』では大きな工房でのお針子たちの様子が描かれています。

両作品とも職人を演じるのがアリアンヌ・アスカリッド、ナタリー・バイと名女優さんで見ごたえがあります。

悩み多き徒弟を演じるローラ・ネマルク、リナ・クードリが二人とも芯がある感じで、名女優との共演がとてもすばらしいです。

映画を見るのに静かな雨の日はぴったりですね。

わたしたちはこれからまだまだ成長を遂げていきます。

自分を楽しく導くものを心のコンパスに聞きながらぜひ取り入れていきましょう(^-^)

ソフィア

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