牛飼い、羊飼い、山羊飼い☆三段階と一致する?

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

春めいたと思ったら、冷え込んでいる今日この頃ではありますが、そろそろ桜を楽しめるタイミングが来そうですね。

去年の10月から『世界』の四聖獣の固定宮を見る中で「うしかい座」という星座が気になっていました。

「うしかい座」は「牛飼い」なのですが、似たような言葉で「羊飼い」や「山羊飼い」があります。

「羊飼い」は比較的よく耳にしますが、「山羊飼い」と言えば『アルプスの少女ハイジ』の友だちペーターが思い浮かびます。

牧者を表わす「牛飼い」「羊飼い」「山羊飼い」ですが、養っている動物によって意味合いが異なるはずです。

タロットによって象徴に興味をもつようになったわたしソフィアはこういうことをあれこれ考えることが結構好きなんです。

「ウシを飼う『うしかい座』って何を象徴するのだろう」と。

飼育する動物の特徴

まずはそれぞれの動物の特徴をググってみました。

【ウシ】

・ウシは多くの時間を食事に当てる

・母ウシによる毛づくろいで子ウシは落ち着く

ご飯とスキンシップですね。

【ヒツジ】

・ヒツジは単独行動せず群れたがる性質がある

・ヒツジは明るいところに移動したがる傾向がある

集団行動ができるんですね。

【ヤギ】

・ヤギは粗食に耐える

・ヤギは山岳地帯の高い崖などに登る

厳しい環境で生きれるんですね。

牧者たちの象徴性

特徴を並べてみると、似たように思えていたものの中に違いが見えてきました。

食事で体を養ったり、体をケアしたりが大切な「ウシ」を世話する「牛飼い」は、地上で経験できる物質的・肉体的経験にフォーカスする象徴ではないでしょうか。

地上的なので、ソウル(魂)的というよりパーソナリティ的で、肉親や恋人など肌身の温かさを感じ、安心安全を重視するフェーズなのかも知れません。

「地上的」がパーソナリティと結びつくのに対し、ソウルと結びつくのは「天上的」です。

ソウル(魂)は個別ではなく、ソウルグループという集合にまとまっていき、源に遡るに従って、さらにまとまっていきます。

その特徴から、群れになりやすい「ヒツジ」を養う「羊飼い」は、個人的な勝利よりもソウル的に友愛や博愛を旨とし、魂の命ずることを追求する象徴ではないでしょうか。

高い所に登りたがる「ヤギ」を養う「山羊飼い」は、粗食に耐えるヤギの性質と相まって、高みを目指して修行するような象徴かも知れません。

『アルプスの少女ハイジ』のおじいさんは人里を避け、山でヤギと暮らしながら、チーズ作りや木工をしながら孤高に生きています。

「山羊飼い」の連想の中でわたしに思い浮かぶのは、このおじいさんのイメージです。

タロット・マンダラの三段階

このように特徴を挙げていく中で感じたのは、「牛飼い」はタロット・マンダラの地上界の特徴のようだということ。

地上界は、個人としての肉体での経験・物質的経験が中心となる領域です。

上も下もなく、友愛を育てる「羊飼い」は天上界の特徴のようです。

天上界は魂の領域を表わしているので、ほとんどの登場人物が裸に近い状態になっています。

そして「山羊飼い」は、地上界と天上界の間にある中間界の特徴のようです。

中間界っぽい「山羊飼い」だからこそ、天上界への高みを目指す立ち位置に相応しいのでしょう。

わたしたち人間は、肉体のものでもありますが、魂のものでもあります。

いずれ肉体からは抜け出ていくものです。

自分が牧者だとしたら、今、自分という牧場でウシ・ヤギ・ヒツジを何割ずつのバランスで飼っているでしょうか。

どの動物も大切ですが、これから年を重ねていくに連れ、養う動物の割合が変わっていくのが自然なことなのでしょう。

タロットはいろんな気づきをくれます(^-^)

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

映画『ソウル・オブ・ワイン』

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

タロットはさまざまな象徴がてんこ盛りになったカードです。

それらを調べてみると、樹の幹から枝葉が広がるように、世界各地の文化的要素に繋がります。

例えば、『節制』や『星』にはアンフォラのような瓶をもった人が描かれています。

一般的に『節制』には、健康や倹約のためにワインを水で希釈する様子が描かれているといわれています。

他の解釈では、ブドウジュースが腐るのを防ぐために前年のワインを混ぜている様子と見ることもあります。

タロットは象徴で成り立っているので、解釈には多様性があります。

『星』の女性が液体を水面に注いでいるのは、この人が変わった人だからといわれています。

大量の水のあるところに、水瓶から水を注いでいる様子だからです。

別の観点では、ブドウの収獲を感謝してワインを神々に捧げるお祭りの様子だともいわれています。

人間が過度な飲酒で酩酊するよりも、供物として川や大地に捧げることを神々は好むとされています。

水瓶など、タロットのシンボル1つ1つを見ると、何でだろうと知りたくなることがたくさん出てきます。

こういうときに、ワインなどについても、もっと知識があるといいのにと思うのです。

最近見たドキュメンタリー映画『ソウル・オブ・ワイン』には「そういうことか」と思わず膝をたたきたくなるところがありました。

特に醸造学者のジャック・ピュイゼさんの話。

予告編にはほんの少しだけ映っていますが、タロットのヒントになる知恵がいっぱいでしたので、特に興味深い言葉を文字に起こしておきます。

 

ピュイゼさんは、まず、熟成したワインの入ったグラスを手に取って話し始めます。

「瓶の中で熟成すると
こういうミネラル化が起こるんだ
最初の香りですぐにわかる
目の前のこのワインは“知恵”へ向かっているのだと」

「伝統的にも同じような言い方をするが
ワインは時間に身を委ねる
ワインが開花するまでには長い時間がかかるんだ
ワインを飲むこととは 土や空気
成分と時間を飲むことだ」

「ワインが話をしてくれる
“私を導いてくれた主人 ワインの生産者は”
“とてもよい主人で”
“正しく世話をし”
“正しく収穫した”
“ブドウだった私を発酵させ ワインに変えた”
“ブドウのままでは保存できないから”
“私を発酵させ ゆっくりワインに変えた”
“熟成し 澱を引き 瓶に詰めた”
“熟成させるために”
そんな話をするんだ」

ブドウがワインになる過程で生じるスピリッツがタロットの象徴性の中で注目すべきポイントです。

また、ピュイゼさんは、若いワインと熟成したワインを若さと智慧、若者と大人に例えての話もします。

まるで『愚者』と『隠者』の会話のようだと思って、わたしは聞いていました。

ブドウジュース、若いワイン、熟成したワイン。

ワインは人間にとって大切なことを伝えてくれるシンボルです。

興味がある方はぜひ『ソウル・オブ・ワイン』の本編を見てみてください(^-^)

ソフィア

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タロットの数字のお話

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

まもなく3月、弥生になりますね。

春らしい暖かい空気になり始めます。

3月は英語では<March>、フランス語では<Mars>です。

ローマ神話の戦いの神マルスに由来しています。

日本の旧暦に由来する月の別名も興味深いですが、欧米の月が神や女神の名に由来するのも面白いですね。

現在の暦はグレゴリオ暦が採用されていて、

それはユリウス・カエサルが実施したユリウス暦に基づいているらしいですが、

それ以前に使われていたローマ暦は、春から始まる10か月からなっていて、残りの約60日間は暦に入っていなかったそうです。

残りの約60日は冬(現在の1月・2月くらい)なので、畑仕事がなかったために差し支えなかったのだそう。

暖かくなる春(現在の3月くらい)に1月としてマルスの月が始まり、そこから10月(現在の12月くらい)まで暦と共に畑仕事をし、その後はしばらく(約60日間)は日付のない日々を過ごすわけです。

何とも不思議な感じがします。

そういえば、欧米では現在も12月が「10番目の月」の意味のDecemberですね。

カレンダーには12月の意味として12という数字が書かれていますが、「10番目の月」と呼ぶのはどんな感じなのでしょうか。

神や女神の名前に由来する他の月の名称と同じように、SeptemberやNovember、Decemberも単に「名詞」として捉えられているものなのかも知れませんね。

数字と言えば、カモワン・タロットを含む多くのマルセイユ・タロットでは数字の書き方が独特です。

1・2・3は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと書いて、ローマ数字の普通の書き方ですが、

4や9は、IIIIやⅤIIIIの加算方式で書かれています。

一般的にはⅣやⅨで書かれることが多いですよね。

減算方式の(-1+5)や(-1+10)がⅣやⅨの数の成り立ちです。

IIIIやⅤIIIIはあまり一般的ではないのですが、伝統的に時計の文字盤やコインなどには使われることがあるようです。


(IIIIが用いられているスペインのカルロス4世のコイン)

その由来は権力者の意向やデザイン性など、さまざまな説があげられています。

タロットの数字としては「時間やものごと・経験は追加されていく」という考え方から、IIIIやⅤIIIIが用いられています。

例えば、悲しみの経験をしたら、それがイヤだとしても経験をすっかり取り除くことはできません。

万が一、取り除くことが可能だとしても、それを取り除くと経験から来る気づきまでも取り除くことになってしまいます。

それよりも悲しみの経験、喜びの経験、楽しさの経験という具合に経験を豊富にしたり、多様さで中和したり、

悲しみの経験を思いやりという智慧へと変容させることができると、すべての経験が建設的になります。

そういう意味で、タロットの数字は減算方式ではなく、加算方式の表現になっています。

大きな数のⅤIIII(9)のある『隠者』を見ると経験をゆたかに積んだ賢者ですし、

ⅩⅤIIII(19)の『太陽』はレンガを積んだような象徴があるカードです。

タロットの象徴は数字までもが興味深いものですね。

さて、昔のヨーロッパでは1年のはじまりだったマルスの月がきます。

わたしは何かを新しく始めたいと思案中です。

あなたは何かを新しくしますか?(^-^)

ソフィア

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