タロットの数字のお話

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

まもなく3月、弥生になりますね。

春らしい暖かい空気になり始めます。

3月は英語では<March>、フランス語では<Mars>です。

ローマ神話の戦いの神マルスに由来しています。

日本の旧暦に由来する月の別名も興味深いですが、欧米の月が神や女神の名に由来するのも面白いですね。

現在の暦はグレゴリオ暦が採用されていて、

それはユリウス・カエサルが実施したユリウス暦に基づいているらしいですが、

それ以前に使われていたローマ暦は、春から始まる10か月からなっていて、残りの約60日間は暦に入っていなかったそうです。

残りの約60日は冬(現在の1月・2月くらい)なので、畑仕事がなかったために差し支えなかったのだそう。

暖かくなる春(現在の3月くらい)に1月としてマルスの月が始まり、そこから10月(現在の12月くらい)まで暦と共に畑仕事をし、その後はしばらく(約60日間)は日付のない日々を過ごすわけです。

何とも不思議な感じがします。

そういえば、欧米では現在も12月が「10番目の月」の意味のDecemberですね。

カレンダーには12月の意味として12という数字が書かれていますが、「10番目の月」と呼ぶのはどんな感じなのでしょうか。

神や女神の名前に由来する他の月の名称と同じように、SeptemberやNovember、Decemberも単に「名詞」として捉えられているものなのかも知れませんね。

数字と言えば、カモワン・タロットを含む多くのマルセイユ・タロットでは数字の書き方が独特です。

1・2・3は、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと書いて、ローマ数字の普通の書き方ですが、

4や9は、IIIIやⅤIIIIの加算方式で書かれています。

一般的にはⅣやⅨで書かれることが多いですよね。

減算方式の(-1+5)や(-1+10)がⅣやⅨの数の成り立ちです。

IIIIやⅤIIIIはあまり一般的ではないのですが、伝統的に時計の文字盤やコインなどには使われることがあるようです。


(IIIIが用いられているスペインのカルロス4世のコイン)

その由来は権力者の意向やデザイン性など、さまざまな説があげられています。

タロットの数字としては「時間やものごと・経験は追加されていく」という考え方から、IIIIやⅤIIIIが用いられています。

例えば、悲しみの経験をしたら、それがイヤだとしても経験をすっかり取り除くことはできません。

万が一、取り除くことが可能だとしても、それを取り除くと経験から来る気づきまでも取り除くことになってしまいます。

それよりも悲しみの経験、喜びの経験、楽しさの経験という具合に経験を豊富にしたり、多様さで中和したり、

悲しみの経験を思いやりという智慧へと変容させることができると、すべての経験が建設的になります。

そういう意味で、タロットの数字は減算方式ではなく、加算方式の表現になっています。

大きな数のⅤIIII(9)のある『隠者』を見ると経験をゆたかに積んだ賢者ですし、

ⅩⅤIIII(19)の『太陽』はレンガを積んだような象徴があるカードです。

タロットの象徴は数字までもが興味深いものですね。

さて、昔のヨーロッパでは1年のはじまりだったマルスの月がきます。

わたしは何かを新しく始めたいと思案中です。

あなたは何かを新しくしますか?(^-^)

ソフィア

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