『皇帝』の盾のワシは伝える☆展示中

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

なかなか残暑が厳しいですね。

というか、もう一度お盆が来たかと思うくらい暑いこの頃です。

今週末くらいからはだいぶ気温が下がりそうですね(^-^)

今回は『女帝』と『皇帝』の持ち物ワシの盾を見ていきます。

まずは『女帝』ですが、盾にはほとんど付属物がありません。

一方で『皇帝』の盾には上下左右に付属物があります。

伝統的なマルセイユ・タロットには意味なく描かれた線は1つもないと言われていますから、同じ種類のシンボル間の相違点はかなり重要です。

付属品の有無は大切な意味合いを含んでいます。

『女帝』の盾の空色のフィールドには、左右にひれのような小さく伸びたフィンのような部分がついています。

『女帝』の知性的な黄色いワシは、フィールドごと凧のように天空を飛んでいるようです。

『女帝』の盾の下端は尖っていて、そのまま地面に置いたとしても倒れてしまいそうです。

安定性を担うのは伴侶の『皇帝』です。

『皇帝』の盾を見てみましょう。

『女帝』ではフィンのような部分があった盾の左右の部分はパンチで穴を開けたように空色のフィールドが欠け、他の色がはめられています。

『皇帝』の盾は凧のように天空を飛んでいる状態ではありません。

ワシも翼を折りたたんでいます。

盾の下端は壊れたように曲がっていますが、盾そのものは安定して立っているようです。

盾の付属物で面白そうなのは、赤い渦巻装飾とその間の黄土色のパーツです。

視線を上げると、『皇帝』の玉座にも同じ組み合わせが見当たります。

椅子の手摺りにモールディングと先端に渦巻装飾があります。

ヘルメットにも同様の組み合わせがあります。

こういうモールディングにはチェアレールやピクチャーレール等の別の呼称もあります。

椅子などの家具の縁、建物の軒、絵画展示などのための天井の廻り縁として用いられます。

椅子用のモールディングは椅子本体を傷つけないためにとりつけられ、天井の廻り縁は壁や絵画を傷つけずに展示するためにとりつけられます。

そのように見ると、椅子のモールディングは椅子を保護していますし、ヘルメットの赤いモールディングは『皇帝』の頭を守っています。

盾のモールディングもワシの絵が壊れないように保護していると言うこともできますが、これには他のポイントもあります。

ピクチャーレールであるモールディングは「絵」を展示するもので、『皇帝』のワシの「絵」が周囲の人に見える状態であることを示すシンボルです。

その点、(リーディングとは別に、カードの元型としては)モールディングのない『女帝』の盾のワシの絵は、『女帝』だけに見えるものなのかも知れません。

『皇帝』のワシの絵が他者に見せたり、説明したりできる状態であるのは、『女帝』と『皇帝』のワシのくちばしの開閉の相違とも符合しているようです。

(これはあくまで挿絵ですので、細部までは描いていません。詳しくはお手元のカードか、カモワン・タロットスクール公式サイトのカード画像でお確かめください)

マルセイユ・タロットのシンボルは、1つのものの意味合いが、別のシンボルの意味合いともきちんと符合します。

そうなるように神聖な叡智が込められたものになっています。

こんな面白いシンボルが満載のマルセイユ・タロット、興味深いですね(^-^=

ソフィア

カモワン・タロットのリーディングを学びたい方はスクール・ページへどうぞ。

『法王』の授ける赤い帽子☆教鞭の手は赤いものを握る

こんにちは。アントレへ、ようこそ。

今週は台風の影響が全国的になったようですね。

わたしソフィアのいる平戸の魚の棚町は、暴風に晒されましたが、割と短い時間でした。

台風シーズンだけでなく、残暑もまだ続くようなので気をつけてお過ごしください(^-^)

今回のカードは『法王』です。

『法王』は、年配者が小さい人に伝統的な教育を与える様子を現わしています。

1枚目の『手品師』から『女法王』『女帝』、そして4枚目の『皇帝』までのカードには、すべて1人の人物が描かれていますが、5枚目の『法王』で初めて複数の人が描かれています。

『法王』は、社会との出会いのカードだといってもいいでしょう。

弟子たちは『法王』に授けられた赤い帽子を被っています。

よく見ると、赤い帽子から出た渦の線の向きは、周りの渦の線の向きと相反しています。

(この画像は挿絵です。シンボルの詳細はお手元のカードか、カモワン・タロットスクール公式サイトのカード画像でお確かめください。)

「肉体的な色≒生来的な色」と「教育による色」がぶつかり合っている様子です。

『法王』は、正式にコミュニティに所属することになる弟子たちに、ルールや形式の下で行動することを教えています。

「わたしは読書が好き」「僕はプラモデルが好き」

「けれども、ここは先生がルールを教える教室だからそのお話を聞きましょう」

弟子たちはコミュニティでの過ごし方を身についているところです。

タロット・カードの「逆向き」は、ものごとのエネルギーの過不足やバランスのくずれを表わします。

『法王』の逆向きでは、ルールや形式の学びによって、何かが損なわれてしまう問題として出て来ることがあります。

1枚前の『皇帝』のヘルメットには、少々荒々しく見える赤い三角形の象徴が連なっていますが、『法王』では一見してそれが見当たりません。

『法王』の教鞭をもつ手に握り込まれているようです。

『皇帝』は荒削りな天賦の知性を現わしつつありますが、次の『法王』のルールや形式の教えは一時的にではあれ、弟子の自由に開花しようとする天分をしぼめています。

けれども心配しすぎる必要はありません。

次の6枚目の『恋人』を見てみましょう。

真ん中の人の上では、心からの選択をさせようとして天使が弓矢を引いています。

「心を揺さぶるもの」「琴線に触れる愛の対象」へと進路を変えさせようとしているところです。

その岐路を通過するために、心を揺さぶらない経験が事前にあることには実は意味があります。

「普通」「退屈」と感じることがあってこそ、真ん中の人は「ときめき」がよく分かるのです。

白の中に白があっても分かりませんが、黒の中に白があることではっきりと分かります。

『法王』『恋人』の小さい人のいる辺りは全体的に窮屈ですが、『恋人』の真ん中の人と青い袖の人との間にだけは息の出来るような白い余白があることに気づいてください。

2枚を並べると、『法王』は『恋人』の天使が若者の旅立ちをサポートしているのを見送っているように見えます。

『法王』の伝統的・形式主義的な教育はある意味で先に続く道のための礎となります。

今回のお話の中でも『皇帝』『法王』『恋人』が繋がっていくように、タロット・カードはその順にも大切なアルカナがあります☆

ソフィア

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環境は到達したい視点のためにある☆『吊るし』の棘

こんにちは。アントレへ、ようこそ(^-^)

お盆ですね。暑いですね。

いつもはあまり氷の入ったものは飲まないわたし(ソフィア)ですが、しばらくは氷のありがたさを感じる日が続きそうです。

ついでに、厳しい暑さを例にして、ちょっと考えてみましょう。

『暑さと冷房を作ることをどう捉えるか』から。

ある人は「人間は暑さに抵抗して冷房を作り出した」というかも知れません。

また、別のある人は「人間は暑さに促されて冷房を作り出した」というかも知れません。

主体と環境を敵対的に見るか、協調的に見るかの解釈の違いですが、それによる精神的なエネルギーはかなり違いそうです。

私事になるのですが、タロットをしていて、全面的にではないのですが、母親から反対的な意見を受けたことがありました。

その頃はショックを受けて、わたしの方から境界線を引くような発言をしました。

今考えると、他者に何を言われても自分がしたいことを選ぶという経験をするためにその出来事が必要だったのかも知れません。

母親の反対意見に促されて、タロットへの強い思いが確認できたと解釈すると、出来事の流れを肯定できることが分かります。

これは妥当な解釈なのでしょう。

人生は必ず自分のためになることが起こるように出来ている、そうなるように人生設計して生まれてくると言われています。

けれども、環境をどのように見るかで、そこに怒りや執着が起こるか、手放しや感謝が湧いてくるかが違って来ます。

いらっとすることや悲しくなることがあったら、「これって何か促しているんじゃない?」と振り返ってみると自分も周りも肯定できる視点が見つかるかも知れません。

このカードは『吊るし』です。

人物を左右から挟んだ枝打ちされた樹は棘のように尖っています。

この人がこの棘のある環境で揺れると、左右の棘に痛みを覚えます。

3次元的思考に深く入り込むと、棘はさらに容赦なくこの人を傷つけます。

左右の棘という環境は、この人を3次元的な視点から抜け出させたいのです。

内観や黙想で高い視点からの解釈を試みていくと、上向きの棘はこの人物を上へと解放してくれます。

自分の気持ちや今の視点が明らかになり、高い視点からものごとが見えると、自分も他人も肯定できるように変わっていきます。

この時期、故郷に帰省したり、連絡をとったりすることが多いでしょう。

生まれ育った環境の視点を整理するための刺激を受け取ることがあるかも知れません。

そうした折には、その刺激は3次元的思考から自分を自由にさせようとしていて、到達するはずの視点が自分にはあるはずだと気づいて下さい。

わたしたちはまだまだ自由になれます☆

ソフィア

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