カードの背景にもヒントがある(その2)☆『ⅩⅢ』と『月』
こんにちは、タロットの世界へ、ようこそ。
12月22日は冬至ですね。
それまで短くなり続けていた日照時間が、冬至を境に長くなる方へと転じます。
つまり冬至は「古い太陽」が「新しい太陽」へと生まれ変わる日なのです。
23日の太陽は生まれたての赤ちゃん。
そういえば、今上天皇のお誕生日も12月23日ですね。
太陽が新生する日が誕生日だというのはとても意味深いことなのかも知れません。
さて、前回の記事では小さなシンボルもカードそのものを理解するのには、とても有効であるということで、『Ⅲ女帝』『Ⅷ正義』の草の様子から理解を深めていきました。
今回は同じく3つながりの『ⅩⅢ』や『ⅩⅧ月』の草を楽しく探索していきましょう。
『ⅩⅢ』のカードには黄色と青色の草が描かれています。
モヤシの胚乳のように、発芽したばかりの芽は黄色っぽいですから、黄色の草は新しく萌え出た生命力の状態を表わしているようです。
青い色で植物が描かれることは稀ですので、色の混合を基に意味を見てみましょう。
一般的に植物は緑色で表わされます。
黄色絵の具と青色絵の具を混色すると緑色になるところから
黄色+青色=緑色
の式が成り立ち、青い草の状態は下記で出てきます。
青色=緑色-黄色
緑色から黄色をひくということは、生命力がさしひかれています。
青い草は生命力がなくなって死んでいる状態のようです。
中間である緑色の草はなく、死ぬものと生まれるものが存在する状態。
まるで山火事の後ように、生命たちが失われた後に新たな生命たちが生まれ出てくる再生のイメージです。
ⅩⅢの伝える雰囲気は「苦痛を伴った変化」として捉えることができます。
ではⅩⅧ『月』はどうでしょう。
ここでは草は3種類、描かれています。
緑色の草、竹色の草、そして花実をつけた緑色の草です。
花実をつけた草をクローズアップして見ていきます。
これと同様の象徴が描かれているのはⅠ『手品師』だけです。
『月』では3本の葉がある内の1本目と2本目の間に軸が出ています。
『手品師』においては3本の葉の2本目と3本目の間に出ています。
(この絵はブログ用の挿絵なので、走り書きですが、タロット・カードにはくっきり描かれています。)
共通するのは2ということで、2の数をもつⅡ『女法王』を思い起こさせます。
『女法王』には卵が描かれていて、それは植物の花実と同様で、生育する命の象徴です。
『手品師』では葉が枯れた色になっていて、花実はすでに種となって、命のバトンはすっかり渡されているように見えます。
『月』では葉が青々としていて、親株自体が生命の最中にあるようす。
この草は大きな母性で受精した胚に栄養を送り、育んでいる途中です。
二頭の犬たちも、母鳥を待つ雛鳥のように、餌や愛をせがんで吠えたり口を開けたりしているように見えます。
『月』のカードの雰囲気は、養育する母性やせがむ幼児性などが混在し、少々さわがしい様子と見ることができそうです。
せがんでいる犬を人間に置き換えて見てみると、文句が多くなっている場合は甘え心からその行動に出ているのかもと想像できます。
まだ未成熟な満たされない部分が愛やエネルギーを求めているのかも知れません。
タロットの中の小さな象徴たちは多くを語ります。
そしてじっくり見ていくことで新たな気づきへと誘ってくれるのです。
ちなみに『太陽』に描かれているのは生命力あふれる黄色の草です。
冬至に、あなたの中の小宇宙の太陽が生命力にあふれる状態に新生するとイメージするのはすばらしいことかも知れません。
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