『力』の乙女は強い☆小我と大我
こんにちは。
アントレへ、ようこそ。
今回は、この『力』のカードについてです。
『力』は、猛獣ライオンとそれを手なづけているような乙女が描かれた印象的なカードです。
若い女性が素手でライオンを扱っているというのはナカナカ見かけるものじゃありませんね。
タロットの世界では、描かれたものがそのままではありません。
基本的にシンボルとして見てください。
ライオンはライオンそのものではないし、若い女性は若い女性そのものではありません。
シンボルはさまざまなものを象徴できるのです。
例えば、ライオンは小我、乙女は大我を象徴すると見ることができます。
小我は小さいレベルの自我、大我は大きなレベルの自我です。
小我のライオンをわたしたちの通常の意識とすると、大我の乙女は「魂」や「ハイヤーセルフ」のはたらきなどを象徴できます。
ライオンを自分として見ると、鼻をつかまれているようで、何とも情けない感じです。
日頃、わたしたちが抑え込まれているかというとそうでもありません。
ほら、この『戦車』などは元気よく走っています。
わたしたちが大我に制御される段階は、『戦車』などで元気よく走る経験などをした後にやってきます。
小さいレベルの自我で人生を経験した後に、「小我の段階に留まるな」と魂やハイヤーセルフが働きかけてくるのです。
そういう段階は宿命的にやってきます。
そうすると、今までのやり方ではものごとが上手く行かなくなります。
わたしたちは魂やハイヤーセルフの導く方向に早く気づかなければなりません。
しかし、長らく小我としてやってきたわたしたちはそのやり方に慣れきっていて、吠えてもがいてでも同じやり方で何とかしようとしてしまうのです。
大我の支配下に入り始めた小我は抵抗したり、興奮したり、いらいらしたりします。
猛獣のようになるので、吠えるライオンとして描かれています。
乙女とライオンがガチンコ勝負したら、どちらが強いでしょうか。
大我ですよね。どうしたって大我である乙女の方が強いのです。
それでも小我のライオンは荒々しい「俺こそが」気質をもったままなので、やわらかで穏やかな大我のようになんかなりたくありません。
小我であるライオンはもがき通しにもがきます。
疲れ知らずの大我を相手にしてもがいたライオンはやがて疲れ果てます。
そうやって、ライオンの中からは「俺こそが」気質があく抜きされて、乙女のやわらかな手によって手なづけられるようになっていきます。
やがて小我は「これでよかったのだ」と気づく段階が来ます。
それは次の『吊るし』の段階。
もがきをやめて、客観的に観察できるようになってからのことです。
『吊るし』の枠には魂の火がついて燃えています。
これらのプロセスは、大我が小我にはたらきかける段階になると必然として起こります。
もし、人生の中で、今までやってきたことが理由なく上手くいかなくなり、吠えもがくときが来たら、それは大我が生き方・考え方を変えさせようとしているのかも知れません。
ライオンと乙女のことを頭の隅に留めておいたら、自分のあく抜きへの抵抗を小さくするよう心掛けることで、苦悩の時期を少しスムーズに乗り越えることができるかも知れません。
ではまた、タロットライフを楽しみましょう☆
ソフィア:アントレ TAROT LIFE