『悪魔』のカードの重要な役割
こんにちは。アントレへ、ようこそ☆
今回は『悪魔』のカード。
人間が「もう変わりたい」「もっと自由になりたい」と思うときに、何かがはたらきかけているかも知れません。
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この禍々しく見える『悪魔』のカード。
このカードにいい意味合いを見出すことができないという人は多いかも知れません。
名称がずばり『悪魔』ですし、乳房や男根をこれ見よがしに出している姿に抵抗があります。
心地よくないですね。じっくり見ていたいとはあまり思いません。
この挿絵もわたし自身がそそくさと描き上げたので象徴があまり丁寧に描き写されていません(汗)
なので、ぜひお手持ちのカードで見てください。
カードをお持ちじゃない方はカモワン・タロットスクール公式サイトのカード画像をご覧ください。
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『悪魔』の姿に困惑しているのは下にいる人たちも同様です。
『悪魔』のカードの領域は長居したくなるような場所ではないので、留まらせるためのロープが首に掛けられています。
左側の人は『悪魔』の下に来たばかりなのか、首のロープが緩めで、かすかに笑っているその表情には少し余裕があるように見えます。
親分の空色の角のように黒い枝っぽいものが頭にくっついて、親分の真似をしているようです。
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右側の人は膝にフェルマータのような象徴のあり、「ここまで長居した」ことを示しているのかも知れません。
首のロープは喰い込みかかっていて、顔にも「への字口」の苦痛な表情を浮かべています。
「もう関わるのがしんどい」とその表情が物語っているようです。
頭の黒い枝は心なしか小さくなり、傾いてもいるように見えます。
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2人とも太腿のあたりまで水に浸っていますが、右側はより水嵩が高くなっています。
感情的に「いっぱいいっぱい」なのを思わせます。
『悪魔』のところにこのまま居続けると、この人はロープでの窒息か、水死という事態に陥ってしまいそうです。
いずれは苦痛に耐えきれなくなって、『悪魔』のところから逃げ出すことでしょう。
逃げ出したときには黒い枝は頭から外れているでしょう。
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これが『悪魔』の重要な役割です。
他人軸の思考や欲得などの地上的思考など、子分たちがこれまでもってきた欲望や妄想が悪魔によって煽り立てられています。
親分は酷い扱いをしつつ、おいしい話も口にして繋ぎ止めますが、その約束が誠実に果たされることはありません。
苦痛さに精も根も尽き果てて、子分が「これではだめだ」と気づくまでその関係性は続きます。
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自分を欲望や妄想から解放するときが、『悪魔』から解放されるときです。
自分を解放するまで、『悪魔』は絡め取ってくる「しがらみ」の存在です。
しかし、欲望から自分を解放した後には、『悪魔』の役割が単なる「しがらみ」の存在ではないことに気づくかも知れません。
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「変わりたい」「解放されたい」と感じていることがあるなら、現在、そこに引っ掛かっている欲望についての思考をキレイにすると先に進むきっかけになるでしょう。
「安全のためにその関りが必要と思い込んでいた。今まで気持ちをごまかしていたけど、関わり続ける方が本当は苦痛だ。しんどいな。離れる方が幸せなのかも知れない」
過干渉な『悪魔』の態度は、結果的に、子分の「過剰な地上的思考や依存的思考」の汚れをクリアにする方向にはたらきかけます。
誤解されそうな過激な表現になりますが、ある意味では「苦痛な支配は子分の自立を促している」とさえ言えるのかも知れません。
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マルセイユ・タロットにはたくさんの真理が描き込まれています(^-^)
ソフィア