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2023-04-06

ステレオタイプと子どものように見るということ

こんにちは。スクール講師の長友です。

今から書くことには、次の聞きなれない用語が出てきますが、頑張って読んでください。

ステレオタイプ
バイアス

どこかで聞いたことがあるかもしれません。

さて、アントレのYouTubeはご覧いただいているでしょうか。
YouTube動画で、タロットをリーディングするうえで大事なのは、「右脳を使うこと」という内容の話をしていますが、そのなかで、「子どものように見ること」という例えをしています。
YouTubeでは、なるべくわかりやすいように話をしていますが、ここでは少し難しい表現になります。ですが、大人の見識を使って読んでみてください。

 

わたしたちは日常的に晒されているステレオタイプによって思考を形成させられています。

ステレオタイプの、「ステレオ」は音楽を聞く機械のことでもなく、立体音響のことでもありません。
「ステレオ」は、「ステロ」を語源としていて、活字印刷でつくる、鉛の印刷原版のことなのです。つまり、「型」や「枠」のことで、

ステレオタイプとは、特定の文化によってあらかじめ類型化され、社会的に共有された固定的な観念ないしイメージのことである。
コトバンクより

ステレオタイプとは、多くの人に浸透している先入観、思い込み、認識、固定観念、レッテル、偏見、差別などの類型化された観念を指す用語である。
wikipediaより

タロットをリーディングするとき、カードの絵を「子どものように見ることが大事」と説明していますが、大人になると、社会やメディアが造った虚像のようなステレオタイプにおおいに影響されるようになります、そして、それはそれぞれの個人の中で、そのひとの常識とか偏見とかバイアスに変化していくのです。

バイアスとは、
先入観や偏見、人の思考や行動に偏りが生じる要因という意味である。一般的にビジネス用語として使われるが、医療用語や心理学用語としても用いられている。
weblio

つまり、タロットをリーディングするためにはこれらを、「はずす」ことが必要なのです。

人は大人になると、「見て判断する」のではなく、「判断して見ている」ようになる。

こう書くと、ハッとしませんか。

動画の中では、タロットのなかの人の動きや表情を見るとき、その解釈は答えはひとつではなく、「いくつものとらえ方がある」ということを説明しています。
一方で、カードに描かれた象徴(シンボル)の解釈の場合は、パターンや型があります。カード全体に対しては「元型(アーキタイプ)」というものもあります。
これらはいわゆる知識として知っておく必要があるのですが、しかし、これらを意識しすぎると、ステレオタイプの罠にはまり、リーディングを難しくします。ただし、これらの知識が不要といっているのではなく、タロットリーディングにおいては、どちらも必要です。

これらのことが、動画の中で話している「右脳と左脳をバランスよく使う」ということです。

カモワンタロットのリーディングでは、時折、タロローグ(タロットリーダー)の中にある常識を覆させられる経験をします。
自分の持っている経験や知識とは合わない状況を展開の中に見たとき、リーディングの仕方がわからなくなるのです。つまり、先ほど述べたステレオタイプに縛られているからです。

なので、まずカードが示す状況をそのまま受け容れることです。それが大事です。

その状況をいったんストレートに受け容れてみます。そして、クライアントの引いたカードの展開に見ることができるその状況を伝えてみると、実はその通りの世界がそのクライアントの側にあることに直面することになります。

実際の人間の心理や現実社会で起きることは、タロローグの経験では計り知れないものがたくさんあります。

タロットリーディングで大事なのは、あくまで、その人が引いたカードのメッセージを翻訳するだけであり、リーダーが判断してはいけないのです。
リーダーがクライアントをジャッジするわけではありませんし、アドバイスするわけではないのです。
リーダーという意味のままです。
カードを読むだけ。

だから、リーダーは、自分の持っている常識や価値観などは手放して、カードの示す状況を素直に、ストレートに受信し、受容して、カードに見られる絵が表す内容を言葉にして伝えるという役割を果たすだけでいいのです。むしろ、そうであるほうがいいのです。

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