ヘラクレスvsネメアーのライオン☆12星座の神話
こんにちは、アントレへ、ようこそ。
前回は牡牛座のイーオーの神話を元に探索しましたが、
牡牛座をどの神話に見立てるかということで様々な意見があります。
アストロロジーにおいての黄道十二宮の基本的なルールでは、牡羊座が男性、牡牛座が女性、双子座が男性・・・と交互に配置されているところから、
女性に区分されている牡牛座には、ニンフの女性であるイーオーが牛になった神話がよい選択肢なのではないかと思っています。
今回は『世界』のカードで牛の隣側にいるライオンに焦点を当てましょう。
獅子座です。
獅子座は男性に区分されます。
たてがみのない雌ライオンではなく、ふさふさしたたてがみのある雄ライオンを想像して進めていくことができます(^-^)
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獅子座のエピソードである「ネメアーのライオン」は、ギリシア神話の中でも第一級の英雄であるヘラクレスのお話の一つです。
ヘラクレスは最高神ゼウスと人間の女性の間に生まれた半神半人の英雄です。
ある日、ヘラクレスは女神ヘラーに狂気を吹き込まれて、妻と子どもたちを炎に投げ込んで殺すという大罪を犯しました。
(よいことも悪いことも大きな出来事が生じた際には、大方、最高位の女神ヘラーか、最高神ゼウスがきっかけとされているので、ここは細かく考えずにいきましょう。)
ヘラクレスは罪を償うためにデルフォイの神殿へ行き、アポロンの神託を受けました。
下ったお告げは「ミュケナイ王エウリュステウスに仕えて仕事を果たせ。その後に不死になる」というもので、そこから始まるのが「ヘラクレスの12功業」です。
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ヘラクレスとネメアーのライオンの神話
その頃、ミュケナイ王エウリュステウスの領地のアルゴスでは、ネメアーの谷に恐ろしいライオンが住んでいて人々を苦しめていました。
ネメアーのライオンは、母親が怪物エキドナであるとも、月の女神セレネであるともされ、月が身震いをしたときにネメアーのライオンが降ってきたと言われています。
ネメアーのライオン問題に困っていた王エウリュステウスですが、英雄ヘラクレスが仕えたいと来訪したものですから、これ幸いとばかりにライオンを殺しとその皮を持ち帰ることを命じました。
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ヘラクレスはネメアーの谷に赴く途中、ゼウスの神殿の森に住むモロルコスという名の農夫に出会います。
ネメアーのライオンを退治しに行くと聞いたモロルコスは、自分が飼っている唯一の羊を殺してヘラクレスをもてなそうとしました。
ヘラクレスは羊の犠牲を1か月待ってくれるように頼みます。
「自分がライオンとの戦いに敗れて帰って来なかったら自分のために捧げてほしい。もしライオンを退治できたらゼウスの神殿に捧げてほしい」と。
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ネメアーの谷に到着したヘラクレスは、アポロンの神殿で授かった矢でライオンを撃ちますが、ライオンの驚くほど強靭な皮膚は矢を跳ね返してしまいます。
そこでヘラクレスは得意の棍棒でライオンに立ち向かいました。
オリーブの木で出来ているとも言われるヘラクレスの棍棒がライオンの頭に命中すると、ライオンはたまらず洞窟の中に逃げ込みました。
(ヘラクレスとネメアのライオンの戦い、ピーター・パウル・ルーベンス)
ヘラクレスは洞窟の入り口を岩でふさいで逃げ道を封じ、ライオンに挑みかかります。
ヘラクレスは格闘の末、両手でもって窒息させることで不死身かと思われたネメアーのライオンを退治することができました。
ライオンの皮を持ち帰るために、ヘラクレスはナイフを使いましたが全く刃が入りません。
すると、その窮地に気づいた知恵と戦略の女神アテナが変装してやってきて、ライオンの爪を使うことを助言します。
ライオンの爪を用いると皮に切れ込みが入り、ヘラクレスは皮をはぐことができました。
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ヘラクレスがモロルコスの小屋まで辿り着くと、モロルコスはゼウスの神殿に羊の犠牲を捧げました。
ライオンの死骸を担いだヘラクレスが王エウリュステウスのところに戻ると、王エウリュステウスは恐怖のあまりに大きなブロンズの壺に飛び込んで身を隠します。
そして「これからは仕事の成果を門の外で披露し、伝令を通して報告するように」と命じたのでした。
このライオンの毛皮は、この後、ヘラクレスが身につける特別なシンボルであり続けます。
獅子座は、ゼウスが息子ヘラクレスの戦果を祝って天に上げたとも、動物の王として天に上げたとも言われています。
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次回はヘラクレスやライオンをタロットの中に探して、象徴をしらべていきます。
すでに「あのカードだ」と検討がついているかも知れませんね(^-^)
ソフィア
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