世界の輪とそれぞれの意図(その1)
こんにちは、タロットの世界へようこそ。
もうじきやってくる7月22日は、マグダラのマリアの記念日であり、円周率の記念日でもあります。
円周率の記念日とされる日は複数あるようですが、7月22日はその中の「円周率近似値の日」のひとつです。
以前もブログで取り上げたのでご存知の方もあるかも知れません。
ヨーロッパ式の期日表記では22/7となるため、分数と見なして計算すると「3.14…」が算出されるのです。
円周率の記念日なので、円に関すること、円を形づくることをテーマにしてみましょう。
タロットには、円が描かれたカードは何枚もあります。
特に立派な大きい円が描かれているのはこの『世界』のカードです。
このカードは大アルカナでの最大の数21をもち、「最終局面・フィナーレの状態・完成」を表わしたカードです。
中央にあるその円は、祝宴に相応しい月桂樹の王冠や花の王冠のような形をとって、中央の人を囲んでいます。
では、大アルカナでの最小の数1をもつ、最初の局面のカードを見てみましょう。
『手品師』のカードです。
それを見ると目ぼしい円は描かれていません。
むしろ円を描くための基点にできそうなポイントが丸い玉としてカードの中央にあります。
1という若い数をもち、若い姿をした『手品師』は、「何かしたい」という子どものような「意図」をもっています。
片手に杖を握り、もう一方の手に持った丸い玉の方に向けています。
『手品師』と名乗っているからには、その杖で丸い玉にマジカルな力を作用させたいのかも知れません。
「意図・意向」を表わすインテンション<intention>は英語もフランス語も同じスペルです。
また「内包」を表わすインテンション<intension>は、後ろの<t>と<s>が異なりますが、発音は全く同じです。
存在が内包するものがその存在の意図なのだ、存在の意図はその中に内包されているというふうにも考えられます。
古来より人々は言葉遊びをしながら、知恵を学んだり、知恵を温存したりしてきたようですね。
『手品師』には一人の人間だけが描かれています。
この人単独の意図がここに表れています。
大アルカナの他のカードと比べてみれば分かりますが、テーブルが手品師の体の4分の1ほどを隠すほど斜めに描かれています。
『手品師』の段階では、外にあるはずのものも見えていないようですが、それなら「意図」など「内包するもの」はなおさらのようです。
では、人数が多くなっていくと、その意図はどうなるのでしょうか。
それを次回、見ていってみましょう。
(次回のブログにつづく<(_ _)>)